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新しいものと古いものが共存する生活


先日、友人の地元を訪ねた際の話。

(その時の写真を載せてます。よかったらどうぞ。)

※とっても個人的な見解ばかりです。暖かい目で見て頂けると幸いです。


写真撮影をしている時に、声を掛けてくださった方がいた。山登りをする前に、日陰で休憩をされていたご婦人だった。

この撮影は、友人の学校の課題の為に行っている。その課題の内容は、数か月かけてグループワークで実施される、それはそれは大変なプロジェクトだった。

当日友人と会うまで、課題の内容を詳しく聞いていなかったので、撮影をしながらその課題の内容について聞いていたが、友人がそんなすごい事をやりこなしているなんて驚いた。とにかく「すごいなぁ」としか言えない自分の語彙力の無さを悲しんでしまうほど、素敵なアイデアだった。

ご婦人も、この友人の課題に、きらきらした表情で話をお聞きになっていた。

「この地に残されている文化を守るため、それに関わる新しい商品の開発・宣伝を行い、伝統をつないでいく。」ざっくりいうと、このような課題内容。

(友人へ この説明めっちゃへたっぴでごめんね。)

この話に感銘を受けていたご婦人は、「こんな事を考えてくれている若い人がいたらこの先も安心だわ~」と仰った。

わかる。この田舎の地域で守られていた文化を、地元の若者が「今後は私たちが守りたい!守っていくよ!」なんて言ったら、みんな嬉しくなるよ。

私の地元でも、秋に毎年行われる祭りがある。その祭りで行われる神事のひとつは、無形文化遺産にも登録されている。

幼いころは、祭に参加するオジサン達の酔っぱらいっぷりや見物客の独特の浮遊感がちょっと怖かったこともあったが、小学生時代にその祭りの役員として参加してから、毎年見れば見るほど楽しくなっていった。

しかし、お祭りを見るのが毎年楽しみになっていくのと比例はせず、お祭りに参加する役員は減り、神事も規模を小さくならざるを得なくなった。

人口流出は当たり前。たとえ流出はしていなくとも、普通に参加していない人もいる。更には某感染症の影響でお祭り自体が出来ない状況になってしまった。おそらく友人の地元も、このような問題に直面しているであろう。

いわゆる「お祭り好き」ばかりがいれば、そんな問題も無くなるが、決してそんな人ばかりではない。いや、むしろそうでない人の方が多いと思う。そうでない人たちの意見も分からなくはない。だけど、地域が守ってきた文化をできる限り繋いでいきたい。この両立が難しいよね。

その為に、友人は現代の新しい考え方を取り入れた商品を生み出す想定をしていた。この「昔の文化を守るために、新しい文化を取り入れる。」ことを描けている友人を、心からかっこいいと思った。

この時代、どこでも「古い文化」を守っていくことと「新しい文化」を取り入れていくことが同時進行で行われている。そんな中で、「古い価値観なんて捨てろ!」「新しい考え方、私には意味が分からない」というような意見の食い違いが生じ、度々議論を生んでいる。

仕方のない場合もあるが、こうやって古いものを馬鹿にしたり、新しいものを毛嫌いしている場合ではないと思ってしまった。

いくら少子高齢化が進んだとしても、今までの時代を支えてきたのは高齢者で、これからの時代を担うのは若者であることに変わりはない。だからこそ、古いものと新しいものが共存できるよう、幅広い世代の人物と意見を交わすことを大切にできる世界になってほしいなと思った。

古くから守られている文化にも、今生きるためのヒントが沢山存在するだろうし、新しい知恵もこの世の中に確実に必要になってくるだろう。

友人の「昔の文化を守る」と、ご婦人の「新しい文化を受け入れてくれる」は、理想の現代社会の縮図であったような気がする。

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