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誰でもいいから、とにかくアカデミー賞受賞作品『イカロス』を観てほしい。

こんにちは。Sophia(ソフィア)です♪

アカデミー賞のノミネートが発表されましたね。
惜しくも日本作品はノミネートされずということでしたが...。

今回はそんなアカデミー賞にノミネートされ、見事「長編ドキュメンタリー賞」を受賞した作品、『イカロス』を取り上げたいと思います。普段はアイドルや韓国ドラマについて語っている身ですが、そんな私でも思わず観終わった後は「何だコレ...!」と呆然としてしまったとんでもない作品です。

なぜ『イカロス』について取り上げようと思ったのか。それはたまたまNetflix JapanのTwitterでこんなツイートを見たからです。

エンジニアであり、デザイナーである安藤剛さんという方がツイートでこの『イカロス』という作品に触れられていたのです...!安藤さんがおっしゃっているように、この作品は本当に「奇跡のようなドキュメンタリー」です。

1. 簡単な概要

まずは予告編から。この作品の監督であるブライアン・フォーゲルは、過去のランス・アームストロング(元ロードレーサー)のドーピング疑惑から、「スポーツ界のドーピング検査はもはや無意味なのでは...?」という疑問を抱きます。そして自身が出場するアマチュア自転車競技の大会で「ドーピング検査無意味説」を実証するため、自身がドーピングをするという逆転の発想とも言える行動を取ります(笑)

ただ独学でドーピングを行ってもバレるに決まってる。そこで、ロシアのオリンピック研究所のグリゴリー・ロドチェンコフ氏の指示を仰ぎます。しかしフォーゲル監督がドーピングに勤しんでいる間(笑)、とんでもない爆弾がドイツのテレビ局によって落とされます。それが、かの有名な「ロシアによる国家ぐるみのドーピング」です。そしてその中心人物とされたのが、ブライアンにドーピングのやり方を親切に教えてくれたグリゴリー・ロドチェンコフ氏だったのです。この爆弾によって、本来自身がドーピングをすることで「スポーツ界における薬物検査の杜撰さ」を証明しようとしていたのが、「ロシアによるドーピングを詳細までに暴くこと」へと主題が変化していきます。この主題の移り変わりこそが、本作が「奇跡」と呼ばれる所以です。

2. ロドチェンコフ氏の勇気

平昌五輪や東京五輪では、ロシアの選手は国家代表として出場できないことが決まりましたよね。つまり、ロシアによる国家ぐるみのドーピングが「ほぼ黒」であることが証明されたわけです。なぜ「ほぼ黒」とするのかというと、あくまでロシア側が「そのような事実はない」と疑惑を否定しているからです。これだけ証拠が集まって、専門家からもドーピングの事実を指摘されているのですが、ロシア的には「そんなことしてないよ〜」と(笑)

そしてなぜこの『イカロス』がロシアによるドーピングを暴くことに成功したのかというと、そこにはロドチェンコフ氏の勇気ある告発があります。本作の中で、ロドチェンコフ氏はフォーゲル監督のインタビューに応じ、映像の中で「ドーピングはあった」と証言するのです。そこからさらに、直近のソチ五輪では「このようにドーピング検査をすり抜けた」という詳細が明かされます。

ここから先、本作では国家ぐるみのドーピングがどのように行われたのか、誰が首謀者で誰が関与しているのかを詳細に報告しています。ネタバレになるため、ここでは詳細は割愛しますが、とにかくその過程は「おそロシア」そのものです(笑)

3. アカデミー賞受賞のスピーチ

この映像は『イカロス』が見事アカデミー賞を受賞した時のスピーチです。私が最も印象に残ったのはフォーゲル監督があらゆる人への感謝を伝えた後のこの部分です。

“この賞を、勇敢な内部告発者であり、現在も命の危険にさらされているグリゴリー博士に捧げます。”
(フォーゲル監督アカデミー賞受賞時のスピーチより)

ロシアの「パンドラの箱」を開けたグリゴリー氏は、その告発によって、今度はロシア国家から命を狙われる身になります。直近でもロシアの反政府ジャーナリストが毒を盛られた事件がありましたが、ロシアという国家は本気になると国民の命までも狙います。(もちろん関与は否定していますが...)ちょうど『イカロス』の途中でもそのようなシーンが出てきます。ロシアを無視して生活できるはずがないので、グリゴリー氏は現在もアメリカ政府に保護され、自由に出歩くことのできない身です。(そしてその状態は彼が亡くなるまで続きます)

彼は自分がそうなるとわかっていても、告発することを選択したのです。このような一連の出来事があって、彼の勇気を誰よりも知っているフォーゲル監督の、授賞式でのあの言葉があるのです。本作を観てから授賞式の映像を観ると、心に刺さるものがあります。

4. 最後に

今回はアイドルでも韓国ドラマでもない話題でしたが、アカデミー賞のノミネート発表されたタイミングということもあり、私のイチオシドキュメンタリー映画を紹介させていただきました。

普段はドキュメンタリーに興味のない方も、『イカロス』という作品は一度見始めたらもう止まりません(笑)「次はどうなるの...?」と、もはやミステリーを読んでいるような感覚です。(普段アニメやドラマを観ている私の友人にも勧めたら、「面白かったし色々な意味でスゴかった...」と言っていました!)

Netflixオリジナルの作品なので、Netflixでしか観ることはできませんが、観て後悔することは絶対ないと思うので、ぜひ観ていただきたいです...!

ではでは、最後まで読んでいただきありがとうございました✨

(トップ画像お借りしました)


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