よくある質問|台湾で日本のモノは売れますか?②

前回は「日本でのブランド力」の大切さを書きましたが、今回は「日台の価格差」の大切さをお伝えしたいと思います。

台湾で日本の商品を購入するときについつい「日本だったらこれぐらいの値段だろうな」ということを考えて買い物をする自分がます。これを友達に話したら、この感情は「心の奥では損したく無いと思っている」ということらしいです。この「損したく無い感情」って、多くの方が持っているのかもしれませんね。

実は台湾の方も日本と台湾価格差をとっても気にしています。
特に台湾の方は本当に日本への旅行へ行く方が多い(台湾の皆様、ありがとうございます!!)ので、「割高だけど台湾で買う」というのはあくまでも選択肢の一つに過ぎないのかもしれません。
日本では旅行に行った際に、友人に頼まれたアレやコレを買っている台湾人の多いこと!これを初めて見たときは本当に驚きました。台湾で商売している身としては一番の脅威で対策のしようがありません。

では適切な、台湾での上代設定は?
勿論、商材や輸入時の税率等によりますが、目安は日本価格の1.2~1.5倍程度では無いでしょうか?
ですが台湾ではお客様は「割引は無いのか?」「もう少し安くしてよ」と結構グイグイきますし、購入金額や数量が大きくなると求められる割引率も大きくなりますので、割引を考慮した価格設定にした方が無難かもしれません。

割引文化にどの様に対応するかは各ブランドの判断によりますが、海外で商売する場合、日本で商売するときの3~5倍程度のコストや労力がかかります。その為、インバウンド需要拡大や認知度拡大のための投資であれば別ですが、適正利益を確保し続けようと思うと、日本価格の1.2~1.5倍の上代設定では割引の範囲は決して大きくできないのが現状です。

それに台湾はそもそもセール大国です。毎年9月から2月までの半年間、いっつも、どこかしらでSALEをしています。例えば百貨店にテナントに入っている場合、百貨店のプロモーションの一環で否が応でも「何か」をしなければいけません。対応し過ぎると台湾での正規価格が「あってないようなもの」になりますので、注意が必要です。

因みに伝統工芸品の分野では、割引交渉前提で日本上代の2.5~3倍という高目の価格設定にするのが、今でも業界の常識のようです。販売側としては『海外だし定価設定が無いので、出来るだけ高く売りたい』『後々、値引き交渉になるから最初は高く設定しておこう』というのが本音だと思います。
ですので、業界によっても少しやり方は違うみたいですね。

因みに僕はブランド側とも協議を行い、ブランディングの一環も兼ねて伝統工芸品の場合でも割引をお断りしています。正直、割引を断ることで大口受注を取りこぼしたり、融通が利かない面白くないやつと思われたりと、時々心が折れそうにもなりますが、台湾人の「値切り交渉」はあくまでも「コミュニケーションの一種」だと考えると楽しくなりますよ。(そう思わないとやってられない!!)

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