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企業説明会を蹴ってアメ村に行った話

大学3年の時、就職活動のために企業説明会に行くことにした。
当時の私も、今と同じで迷走中。ただ今よりもっともっと「正社員でいなければ」「学歴に恥じぬようにしなければ」「親の望みをかなえねば」という思いが強かったので、なんとなく腑に落ちないながらも頑張っていました。

都会に出てあかぬけたい!自由になりたい!ということで、就職活動は大阪と東京ですることにした。このときは大阪のゲストハウスに1週間弱のステイで5,6社の説明会のスケジュールを組んでいた記憶がある。忘れました。

最初の数日は真面目に行っていたけど、何日目かの朝、ついに動けなくなった。どれもこれも自分で選んだ企業だから、楽しそうだし働いている姿も想像はつくけど、なんとなく、これ違うわぁと思って、気付いたら欠席のメールを打ってた。

ウダウダとスマホをいじっていたら、私が推しているアメ村のショップ店員さんが出勤しているとの情報。こりゃ行くしかない!ところが所持服はスーツとコンビニ用の芋私服のみ。ダサい。ダサすぎる。でも行きたい!芋の私服でアメ村に向かった。

初上陸のアメ村着。推しに会うのに芋服は嫌なので、それっぽいジャンバーを買った。(けど後々見たらダサマシマシだった。)さぁれっつごー
アメ村は決して治安がよさそうなところではない。スプレーらくがきとか、酒の空き缶とかガムとか煙草の吸殻、なんでも落ちている。それをハトがつついている。タトゥーショップやピアスショップ、ライブハウス、クラブ、濃い古着屋さんが連なる。あと迷子になって気付いたらラブホ街。

ナビで迷いながら推しのお店着。もちろんここもお行儀のいいお店ではない。笑
外でほかのお店の店員さんが煙草吸ってる。酒飲んでる。笑
(ここらへんで「企業説明会ってあほらしいな、こっちのが面白いな」と思い始める。)
お店に入ると推しと店長さんと常連さん。意を決して推しに推しだと伝えた。ちょっと話をして「とりあえずタバコ行こうや」ということになって、外へ。近くのコンビニで当然のようにタバコと酒を買う3人に倣って、オプションメビウスとスーパードライを購入。それからはあれやこれやと話しました。コミュ障こじらせてだいぶキモキモだったけど…。

ばっちりお洋服もゲットして、推しさんと写真も撮っていただいて、さぁ宴も酣…というところで、常連さん(通称オトン)に「あんたおもろいわ!」と気に入られて、連絡先を交換。(この話はまた別で書きますね。)

それからは、たまたま近くのライブハウスで好きなバンドが出演するという事で観に行って、情熱ホルモンでご飯食べて宿に帰りました。


その後も何度となく「就活目的という名のアメ村徘徊」を企画しちゃあ酒を飲み、たばこを吸い、洋服を買い、ライブに行きました。

したいことをする人、お金がなくても自分のやりたいことを諦めない人、世間体とか普通とか当たり前に流されない、それどころか抗っていこうとする人。パンクだ―!ロッケンローだー!
こんなに振っ切れているひとたちを初めて見て、もうすべてが推しに。私もあんな風になろうと思ったし、ここをホームにすると決めた。

安心したし嬉しかったし、ほぼ毎回大酒飲んで泣いた。
「せねば、やらねば」はちっとも自分のためじゃなくて、自分がやりたいことはもっと違うことで、それをやっていってもいいんだな~ということが確信に変わったのは、アメ村の路上でした。


2回目に行った時に「あぁ、あの時の!」って覚えられていたのは、「私なんてなんでもない存在」と思っていた私にとってはめちゃくちゃ嬉しいことだった。私もあの場に固有名詞をもって存在できるのか!と、自信が持てた。

とはいえ、覚えられていたのは芋の私服のせいかもしれない。酒が入ると泣き出す癖のせいかもしれない。今度行ったら聞いてみよう。


【写真キャプション】
古着屋さん前の歩道で急に始まったバケツスモーク大会の写真。中身もわんぱくでオモロイ。急遽買ってきた網はデカすぎて手で曲げてた。



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