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宇宙人と名乗りたくない、という話

私はよく「植物系宇宙人です」と名乗っている。

「植物系」というのは、「私は人間(動物)みたいにおぞましい欲を携えてないんですよ・・・」という、本当は声を大にして言いたい想いを控えめにアピールするつもりでつけている。

ただ、この「宇宙人」という言葉は正直もうずーっと「使いたくない」と思ってたりする。

「宇宙人です」と言うと、かなり高い確率で「私も宇宙人だよ!」と返され
その返しに毎度モヤモヤを感じてしまうからだ。


私の中の宇宙人の定義は、誠に勝手ながら、私と同じように
「性別も年齢も恋愛感情もない人」なのである。

だから、「私も宇宙人だよ!」なんて言われても
その人が普通に結婚してたりすると「いや、違うじゃん」と思ってしまうわけだ。


とはいっても「宇宙人」の定義(というかイメージ?)なんて人それぞれ違うもの。

「私も宇宙人だよ!」と言ったその人には、私とは全く違うところで
「周りの人間と違って苦しかったこと」があるのであろう。

「違うじゃん…」と思ってしまうことに対して、ちょっとごめんねという気持ちになってもいる。

「なんで使いたくないのに、宇宙人を名乗るのか?」と聞かれると
自己紹介の際に適切と思われる簡潔な言葉が他に見当たらないから、惰性で使い続けている…というのが答えになる。

私は幼き頃(保育園くらい)から、人間が男女に別れているのを見て
異次元の生き物を見ているような感覚を得ており
「自分は人間じゃないな」と早々に悟っていた気がするのだ。
だから「自分は人間じゃないと思ってる歴」は自慢じゃないけど結構長い。

で、「人間じゃないなら何?」
→「とりあえず宇宙人でいいや」となって使っている。

「私も!」とか「みんな宇宙人だよ」と言われるたびに一人で地味にモヤモヤしているのも大変ばかばかしいので、潔くスパッとこの言葉を絶ってみてもよさそうだけど
先日作った名刺にも「植物系宇宙人」と書いてあるし
「絶対にもう、今すぐ変えたい!」
というほど切羽詰まったイヤだ感ではないため、
なんとなくまだ使っているという次第だ。

ちなみに、名刺には肩書きを書きたくないので、
ざっくりと「宇宙人」と書いているんだけど
もう、いっそ何も書かなくてもいいのかねぇ。

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