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6/* 恐怖に似た感情

職場から駅への帰り道、工事途中の佇まいに惹かれて写真をとった。
朝、通勤途中にみるとなんの変哲も無い工事現場。作業をする人たちがいて、前後左右には警備員が立っている、いわゆる普通の工事現場。

ガタンゴトンと音がなり、あれよこれよと声が行き交い、賑やかさとセット販売みたいなイメージな工事現場を時間を変えてみてみると、
この空間だけピタッと時間が止まってしまったような、鈴虫の鳴き声すら響かない音の閉ざされた世界のような、
異様な風景に見えてしまった。

昔のことを思い出す

そういえば昔、長野県にある善光寺に連れていってもらったとき、お寺の中の真っ暗な部屋に通されて、暗闇の中で鍵の在処を探して入り口まで戻ってくる、みたいな試練をやったことを思い出した。
(多分善光寺だったと思う。。)

「暗闇でも目が慣れる」というけど、本当の暗闇は目が慣れても真っ暗なままで、何にも見えなかった記憶がある。音も聞こえず、自分が地に足をつけて歩いているのかすらわからなくなってくるような空間で、恐怖に似た感情を抱いたことを覚えている。

その感情は、おばけがこわい、みたいなものではなくて、もっと心の底から這い上がってくるような、ずっしりと重い感情だ。
それはトラウマとしてではなく、記憶として僕の中にずっと残っていて、今日のように時々思い出す。

あの暗闇、まだあるのかな。
大人になった自分はあの暗闇をどう感じるのか、また行ってみようかな。

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