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1/* できないとやりたいのはざま

だいぶ前になるが、8/18、19と、IID 世田谷ものづくり学校で行われていたキッズ対象のワークショップイベントに出店していた。
僕のところでやっていたのは、真鍮の板に好きな文字の刻印を打ってオリジナルのキーホルダーやブックマーカーが作れるよ、というもの。
(こんな感じ↓)

金属板に刻印を打つというのは、簡単そうに見えて実は難しい。
力加減だったり、刻印を当てる角度だったり、粘土細工なんかとは違って、一回打ってしまったらやり直しがきかないから尚更難しい。

作っている様子を見て、「難しそうだね」と敬遠してしまうキッズ達も多い中で、「これやりたい!」と挑戦してきてくれるキッズ達は、負けん気強めの子が多い。

キッズはタフネス

学生時代は、ボランティアだったり教育実習だったりで小学生ぐらいのキッズ達と触れ合う機会が多かった。社会人になると、その機会はとんと減りうっかり失念していたけれど、キッズはタフネスだ。

IIDは廃校になった小学校を改装してつくられているということもあり、キッズにとっては居心地が良いのかもしれない。
走り回って、面白いものに飛びついて、飽きたらまた別のネタを探して走り回って。

「これなに!?」と臆することなく聞いてくるし、興味がわかないものは「いらない」と素直に言う。

できないとやりたいのはざま

そんなタフネスなキッズ達でも、金属板への刻印には苦戦する。
何度やってもうまく打てなかったり、間違えて自分の手をトンカチで叩いてしまったり、、、
そんなタイミングで多くのご両親が、「かわりにやろうか?」と声をかける。

それに対して、大抵のキッズは決まって「自分でやる!」と即答する。

彼らも上手くできていないことは十分理解しているんだろうと思う。だからこそ、歯痒いし、できるようになりたいと意思表示をする。
できないとやりたいのはざまで揺れながらも、迷わず挑戦することを選ぶのだ。

結果として、上手く文字が打てなかったとしても、世界に一つだけのものを自分の手だけで作りあげたということだけで、キッズ達は心から喜ぶし、それは意義のあることだとおもう。

ところで自分は

ところで自分はどうなのか。
できないとやりたいのはざまに立たされた時、迷わず挑戦することを選べているのだろうか。
「かわりにやろうか?」と手を差し伸べてくれる人が現れることを心のどこかで待っているのではないだろうか。
できなかった時の言い訳を、頭の隅で考えているのではなかろうか。

一文字を打つのに、全神経を集中させてチャレンジしていたキッズ達を見て、少しだけ恥ずかしくなった。

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