見出し画像

いちごの月が昇る夜に。

今日、私が世界でいちばん大好きな方の新曲がリリースされました。

いちご色の月が出る夜にあなたに会いに行く、そのときは二人で夢見るような時間を過ごしましょうね…。

そんな、とびっきり甘くてさわやかで、恋心のキラキラをそのままに思い出させてくれるような。
その曲のモチーフの一つがあらわす通り、まるでいちごシロップのいっぱいにかかったジェラートのような。
そんな曲でした。

この曲の描き出す恋はほんとうに、甘くてほんのりすっぱくて、夜空の星の瞬きのような温かな輝きに包まれています。

恋をそんなふうに描き出せるのはこのお方だからこそなんだろうなぁ、この方のお人柄のなせる業なんだろうなぁ…
と、両手いっぱいの夢と希望を届けてもらった私は胸にこみ上げるものを感じていたわけです。

そして同時に、ぽつりと垂らしたインクが広がっていくように、私の中にはひとつの考えが生まれました。


私にとって、恋とはどんなものだったのだろうか?と。


これって、場合によっては聞いちゃいけない問いだと思うんです。

恋は時として、自分の全てを委ねるような形になります。
だから、そのお相手がもし、自分を受け入れてくれない人だったとしたら?
自分がどんなに心を捧げても、向こうからは1ミリも(1ミリくらいはあって欲しいですが…切実に。)返してくれない人だったとしたら?
…結果は目に見えて残酷です。

しかも、そういうのって自分を犠牲にしているわけだから、恋が去った後には自分のどこかが欠けたような気がしてしまう。
もちろん、実際は違うのです。あなたも私もどこも欠けてなんていない。
ただひとつ問題なのが、自分で自分自身を「欠けている」としか思えなくなってしまうこと。それが、どうしても治さないといけないのに、どうにもなりにくいところなのだと感じます。


この、恋の「自分を委ねる」という性質。
これ実は、先ほどの曲の中にも出てくるのですが↓

スクリーンショット 2021-10-19 2.46.05

(上記MVより。字幕が見づらくてすみません)
(めちゃくちゃ麗しいですね)

じゃあ果たして、恋って自己犠牲だけでしかなくて、つらい思いがいつも尾ひれみたいにくっついてくるものなのかと。
きっと、そういうわけでもないのだと思うんです。

自分を委ねるからこそ、そんな自分を受け入れてくれたときには、相手が同じ想いを返してくれたときには、涙が出るほど嬉しい。
恋の幸せと喜びが他に勝るものがないとしたら、それはこの点に理由があるんだと思うのです。

ふたりで見つめあったときに、今世界には自分たちしかいないんじゃないかとさえ思えてしまうこと。
というか実際、私の目にもその人の目にも、お互いのことしか映っていないんだと確かめ合えること。
その人の声のひと響き、自分に向けられた言葉のひとつひとつが、耳を通って身体の中の手足の先にまで流れていって、すみずみまで熱を帯びた雫たちで満たされること。

その幸福感はきっと他のどこでも体感することは出来ないし、その甘さに惹かれた私たちは何度だって恋をしたいと思ってしまう。
そんな気がするのです。


この世界には、たくさんの失われた想いがあります。
その中のひとつ、ふたつ辺りは私のものでしょう。

どうしようもない黒い部分が剥がれ落ちて、真っ白になって天に登っていった想いもある。

もしくは、まだその想いが持ち主とつながっていて、手放すことが出来ずにいるものも。
今でも変わらず、その人の心を蝕み続けるもの。どこか遠くへやってしまいたいのに、どこにも行ってくれないもの。

そのままでは、恋は痛ましいものでしかないでしょう。
わたしを傷つけるもの、わたしの大切なこころの一部分を奪っていくもの…。
もう誰にも心を預けることなんてしたくない。
その後遺症は、ふとしたところで刃を覗かせます。

それでも、誰かに自らを委ねることの温かさを私は忘れたくなかった。
心が通じ合ったときの幸せを、信じることをやめたくないのです。

別れを飲み込んで、ときには消化しきれずに持て余すこともあった心で、また誰かを愛そうとすること。
そこにはきっと、このいちごジェラートの恋が描き出した、世界でひとつしかないうつくしさがあるのだと思うのです。


また、恋に落ちることの出来る日が来ますように。

スクリーンショット 2021-10-19 3.37.06

(上記MVより)

(私が長々と語ってもきっと伝わらない部分の方が多いので、まだ聴かれていない方は是非是非曲を聴いてみてください…!!!!
私のはひとつの解釈でしかないので、他にもご感想があったらぜひお聞かせください!)

※ヘッダー画像も上記のMVからのものです。




この記事が参加している募集

私のイチオシ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?