留学後の英語勉強法:Raise your hand before you speak

アメリカに来てから、数年が経ちます。

英語で話す力、いわゆるスピーキングを上げるために、何をしたらよいのか、アメリカの大学に入学する前もした後も、ずいぶん悩みました。

チューターという学内家庭教師のような仕事をしていたときに、相談された悩みの多くは、英語で書くこと、または話すことでした。天井が見えないスピーキング力は、留学生活の中の永遠の課題のように思います。

今度、英語力向上に悩む後輩に出会ったときに、このnoteが考えるヒントになればいいなと思います。

1.話す前に手を上げる、考える前に話しかける


では、具体的にどうすることで英語の話す力は伸びるのでしょうか?

授業で手をあげることです。

話そうと思って手を上げるのではなく、まず手を挙げることです。

答えを知っていても、知らなくても、とりあえず手を挙げます。

すると、教授が話す機会を提供してくれます。

話せなくても、大丈夫です。

本当にいうことがなかったら、
「Could you explain what you have pointed out one more time?」
みたいなことを言えば、クラスの視線は教授に戻ります。

まず、手を挙げ、口を開くことが、とても重要です。

次第に、手を挙げるために授業に行くようになれると思います。

毎日、目標を決めます。

例えば、「今日は、各授業で必ず一回は手を上げる。」

そして、終わった後に確認します。

何回手を挙げたか、何回口を開いたか。

これは、能動的に何かを覚えようとするよりも簡単です。

自分の右手か左手を、約180度、下から上に振り上げるだけだからです。

そして、英語を話せるようになる入り口であり、近道だと思います。

しかし、留学中に英語を話せるようになりたい人で、やる人はあまりいない

のではないかなと思います。

様々なケースがありますが、英語の勉強にバイアスがかかってしまうからだ

と思います。

2.この方法が効く理由


記憶テクニック、使い回しの効くフレーズを知っておくことも大事だと思います。

しかし、それらは重要な基礎である一方で、いつのまにか練習のための練習になってしまっていることが多いと思います。

試験で点を取ることを目標として英語を勉強してきた場合、その試験に向けての勉強が習慣となり、コミュニーションを取るために話すことよりも、点を取るための英語になってしまいます。

スピーキング力をあげようと思ったときに、試験のための方法しか思いつかなくなってしまいます。

また、思考習慣だけでなく、心理的な要素もあると思います。

試験のための勉強は、面倒で大変ですが、安心です。

練習したことを再現する、覚えたことを再現することは、点を取れるのか不安に思うことはあるかもしれませんが、その不安はだいぶ和らぎます。

しかし、実際に授業で発言する、会議をリードするような場面では、心理的なハードルが格段に上がります。

広い教室で、数十名から、一斉に見つめられ、自分の心臓の音が聞こえるような経験は、想像しただけで、緊張します。

だからこそ、手を挙げることが、効きます。

試験のための英語は、基礎を身につけるために役に立ちます。

ですが、試験から英語に入った人は、その基礎を現実でモノにするために、手を挙げなければいけません。

試験では、英語を話す機会を与えられ、その中でパフォーマンスをします。

しかし、試験が終わったあとに待っている現実では、

「話す機会を作ること」をしなければなりません。

めちゃくちゃ筋トレしても、走る機会がなければ、走る力が伸びないよう

に、留学生とはいえ、話す機会がなければ、英語力は大して上がらないで

す。

だからこそ、自分自身で機会を作ることが必要です。

心理的なハードルを越えるのではなく、無視するために、

まず、「手を挙げること」が必要です。

最初のドキドキは、いずれドーパミン放出起爆剤になり、

新しい習慣、新しい自分と出会えます。


自分自身を動かすには、

大きな仕組みを考えるよりも、

目標達成の道中にある、最小単位の行動をみつけ、

それをただやることも重要だと気づけたのは、留学中に得た学びの一つで

す。



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