見出し画像

子どもたちに、たくさんの『引き出し』と、とびきりの『ユーモア』を!!Vol.3

 高萩市地域おこし協力隊として「ブッシュ&レイクinはぎビレッジ」と「たかはぎキャンピングパーク」の運営に携わりながら、「自然体験発掘所ハートキッズプロジェクト」代表を務める 小西 政幸(こにし まさゆき)さんに、自身のアウトドアの知識や経験を子どもたちに伝えたいと思った背景と活動への想いやブッシュクラフトの魅力について取材しました。

vol.1はこちらから ↓

Vol.3 子どもの気持ちを裏切ってはいけない。それが大人の役目。

小西さんが、子どもたちとの関わり方で大切にしていることのもう1つに、「指導者は、子どもたちを全力で楽しませ、ユーモアを与える。」ということがあります。

 それは、最初の集会での挨拶から始まっていて、さらに移動のバスの中では・・・
 「僕の自己紹介が30分続きます😊♪」とのこと。
 自己紹介が30分も続くなんて、子どもたちも飽きてしまうのでないか・・・と心配になりますが、そこは小西さん。うまくゲームやクイズなどを織り交ぜて、バスの中が大盛り上がりになるそう。
 また、キャンプの定番『マイムマイム』も、小西さんは普通には踊りません。
「私が躍るのは、高速マイムマイムです。でも、踊った後は、息も絶え絶えになります(笑)。」
 
 極めつけは、子どもたちのどんな要求にも応じることができるように、最新のアニメソングやV-Tuberの曲も、歌詞を見ずに歌いこなすことができるという小西さん。
 
 そのエネルギーと、たゆまぬ努力には、取材担当も脱帽です。

左:自然体験キャンプ、右:荒川Eボート体験

 更に、小西さんは子どもたちを楽しませるだけではなく、自分の経験や知識をしっかり伝えていくことにも全力を傾けます。

 「例えば、川遊びで楽しませて終わりではなく、万全の態勢をとって、ちょっと危ないことも体験してもらうこともあります。「すごく怖いだろう!?川にはルールがある。ルールを守らないと、こうなるからみんな気をつけろ!」って。
 普通、恐怖を体験するのは事故が起こった時。自然には常に危険が潜んでいます。そこから離れさせないために、あえて体験をさせて対処を教えることもあります。それが生きる力。だから、僕自身、常に新しい情報をインプットしてアウトプットしています。」
 
 最後に、小西さんが最も大切にしているのが「子どもたちとの繋がり」です。
「子どもにとって大人との繋がりは、子どもたち同士よりも強い。子どもは自分で大人を選びます。そして1回受け入れると、すごく信じてくれる。それを裏切ってはいけないのが大人の役目。そこを軽んじてしまうと、子どもの感覚や繋がりに影響してしまいます。」
 
 どこまでも、全力で真摯に子どもたちと向き合っている小西さん。でも、本人は「自分が楽しいからやっている。結果として、子どものためになっていて、それはすごくありがたいこと。」と言います。

左:校内ナイトハイク、右:自然体験キャンプ

 最後に、これからブッシュクラフトの魅力と、これから体験したい方にアドバイスをいただきました。

 「やっぱり、「自然と一体になれること」が魅力だと思います。自分の技術が確かなら、自然の中でも普通に生活ができます。自分のレベルが分かるキャンプスタイルと言ってもよいと思います。ナイフと少量の食べ物、あとは焚き火をしてテントやハンモックで寝泊まりする・・・・。普段、街中で感じられないことがすべてそろっていることが魅力ですね。」
 
 なるほど、ブッシュクラフトはキャンプとは異なり、自然の中にあるモノを利用し必要なものを作っていくスタイルです。モノが豊富な現代において、不自由な環境を自分の知恵と自然を使って楽しい環境に変えていく・・・。確かにワクワクしますね。
 
 また、これからブッシュクラフトを始めたい方にアドバイスをいただきました。

 「最初から無理はしないことです。自分のキャンプスタイルの中に、ナイフをもって何かクラフトするとか、料理をするとか、ブッシュクラフト「的」キャンプで良いと思います。
 あとは、最初は1人ではなくグループでやること。助けが呼べる環境を作ってチャレンジしてみてください。ブッシュクラフトスタイルは、サバイバル状況下に陥った時の生存術なので・・・。絶対に無理はしないでくださいね。」   
 
 これからも全力投球を続けるという小西さん。今後の活動にもぜひご注目ください!

たかはぎキャンピングパーク内にて認定講習会(集合写真)※写真中央が小西さん