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探究する力を育むには?(1)

※プロフィールに勤務校名を出していますが、
 全ての記事の文責は個人にあります。
 以下、2022年10月の校内向けの通信に書いたものです。

Q:「探究する人:Inquirers」という学習者像に近づくためには?(1)

 A:まずは、頭に「?(はてな・モヤモヤ)」が浮かぶことを楽しめるとよいかなと思います。

 「答えがわからないからダメ」と考えるのではなく、「わからない」こととの出会いを歓迎し、「なぜだろう?」とか、「どうすればいいかな?」という探究のスタートだと思えるようになると「探究する人」に近づいていると思います。

●   学校では、「探究する人」に近づくどういうタネがあるか?
 「探究する人」に近づいている場面は?

🌱10月5日(水)の全体朝礼では、校長先生から「身のまわりの疑問を大切にして探究を楽しみましょう」というお話がありました。例として、本校の卒業生が取り組んだ「和牛」に関する課題研究や、小学4年生による「二酸化炭素を吸収する装置を搭載したドローンを作る」という夏の自由研究が紹介されました。「鹿児島黒牛と鹿児島産黒毛和牛はどう違うの?」「日本一になったのはどちら?」「そもそも日本一の牛ってどうやって決めるの? 味? でも、生きてる牛で選んでいたような??」今週末に「全国和牛能力共進会」が鹿児島で開かれるのをニュースなどでも見聞きすると思います。そのときにも、また何か新しい「?(はてな・モヤモヤ)」が浮かぶかもしれませんね。
 
🌱前日の10月4日(火)、中1英語の授業で「今月の学習者像は?」と聞いてみました。前の月の「考える人」という声もちらほら聞こえてはきましたが、割と覚えていてくれました。この「IB Q&A」を読んでくれている殊勝な1年生もいることがわかりうれしい限りです。「探究」を意味する英単語「inquiry」の「quir」の部分はどういう意味かも、今なら多くの1年生が答えられるはずです。その時間、「授業での学びを充実されるためにも、読んだり聞いたりするときに疑問を大切に!」ということを伝え、その日のプリントに取り組みながら「?」と思うところにしるしをつけて、グループで話し合いながら解決してもらいました。
 
🌱同じ日のESS(英語に触れましょうという部)の部活の時間には、「UV(紫外線)」や虹の色、方角を表す英語について、たくさんの「?(はてな)」が生まれ、中学2年生といっしょにどんどん調べました。私も知らなかったことに気づけました。「なぜ紫外線はUV(ultraviolet:ultra「超える」+violet「すみれ色・バイオレット」)なのに、赤外線はUR(×ultrared)ではないの?➡(IR(infrared)」「なぜ虹の色の紫はpurpleではなくviolet?」「虹の色は紫と赤どっちが上?どっちが下? なぜ?」「英語で東を表すeastと、感謝祭のイースターエッグのEasterは何か関係ある?」などなど、どんどん「?(はてな)」が浮かぶことを楽しめました。たいてい調べれば答えのある問いでしたが、このようなことを繰り返していけば「調べ学習」も「探究する人」につながるかもしれないと感じました。
 

🌱本校の授業改善アドバイザーをして下さっている小林昭文先生(元産業能率大学教授)からも、質問することの大切さをいつも教えていただいています。9月20日(火)には、高校1年生が「クリティカルフレンド」を通して、質問力トレーニングを行いました。高校1年生のふりかえりの中には、「質問をするためのコツってありますか?」という「?」もありました。自分の高校時代には持てていなかった「?」です。正直うらやましいです。(小林先生のブログでも様子を紹介してくださっているので、よろしければご覧ください。https://a2011.hatenablog.com/entry/2022/09/27/072951
 

🌱秋分の日9月23日(金)にも、小林先生御指導のもと、有志の教員でアクションラーニング・セッション(質問会議)を行いました。「高校生のときにトレーニングできていたらなぁ(仮定法過去完了)」となげいていても仕方ないので、質問する力をつける学び直し中です。とにかく、いくつになっても「みんなが学び続ける力を身につける」!
(こちらも小林先生のブログにも書いてくださっています。https://a2011.hatenablog.com/entry/2022/09/27/072951

学校の外やおうちやでは、「探究する人」に近づくどのようなタネがありそうですか? 



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