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文化によって具体的にどのような事の価値観が違うのか?

前回の記事「文化とは一体何?」で紹介した、ヘールト・ホフステードとは、社会心理学者であるだけでなく、異文化心理学、そして異文化マネジメントの第一人者です。彼は、文化の違いを、「ある集団のメンバーと、他の集団のメンバーとを区別する、集団的な心のプログラミング」と表しました。

ホフステードによると、人間は、3つのレベルで考え方、行動パターンなどのプログラミングを受けると言います。
まず、人類全体に共通なプログラミングが「人間性」、ある一定の集団が共通して持つプログラミングが「文化」、そして個人レベルのプログラミングが「性格」、となります。

人間の3つのレベルのプログラミング

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要するに、文化とは、真ん中のレベル、集団におけるプログラミングの事で、これは国だけでなく、地域、人種、組織、あるいは組織内の部門など、人が集まるところで発生する同じ考え方、行動パターンなどの事です。

もちろん、一人の人間が一つの文化を持っているわけではありません。
たとえばアメリカに生まれた黒人で、企業でITとして働いているとすれば、アメリカ文化の影響を受けているだけでなく、黒人文化も持っているでしょうし、また、働いている企業の組織文化、果ては、ITとしての文化も持っているでしょう。(実際には、組織文化よりも、営業やITなど、各部門としての文化の方が似通っているというデータもあります。例えば、同じ組織内の営業とITよりも、違う2つの組織の営業同士、もしくはIT同士の方が似た文化を持つ、など。)

ホフステードは、グローバル企業であるIBMで働いていた1967年から1973年の間に、IBM内のいろんな国の従業員117,000人にアンケートを行い、国の文化の違いを4つの主な価値観の違いがあるとして、文化の4次元モデルとして指標にして表しました。(後に、2つ次元が足され、現在は6次元モデルとなっています。)また彼が集めたのは同じ企業で働く従業員のデータの為、組織文化が同じとみなす事が出来、国の文化の違いのみを調査することができました。

そして彼の提唱した国による文化の価値観の違いが以下の6次元です。

ホフステードの6次元モデル

1. 権力格差
2. 個人主義 vs. 集団主義
3. 男性らしさと女性らしさ
4. 不確実性の回避
5. 長期未来志向 vs. 短期未来志向
6. 充足的 vs. 抑制的

つまり、国によって、もしくは文化によって、これらの6つの次元において、価値観の違いが違ってくるということが分かったのです。例えば、これらの次元をチャートで見ると、日本とアメリカがいかに違うかが分かります。

ホフステードの文化6次元モデル(日本 vs. アメリカ)

ここで覚えておいてほしいのは、これらはあくまでも国の平均の違いであって、いくら国の指標があったとしても、国全体の人口がそういう傾向を示すわけではない、と言う事です。(例えば、アメリカ人の方が日本人よりも総体的に個人主義だというデータ上の結果であっても、一人一人を見ていけば、アメリカ人の平均よりも個人主義の日本人もいれば日本人の平均よりも集団主義のアメリカ人もいる、と言う事です。)

次回からはこれらの次元をもっと細かく見ていきます。
もっと詳しく内容を知りたい方はこちら。



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