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IB教師がおすすめする映画『Front of the class』(日本未公開!?)

この映画、新しい映画ではないのですが、最近観て面白かったので書きたいと思います。日本では上映されてないようで、残念です。AmazonではDVDが買えますが、日本語字幕は無いと思います。

主人公のブレッドはTourette Syndrome(トゥレット症候群)

さて、タイトルであるFront of the classを日本語に訳すと「進んだクラス」意訳すると「魅力的なクラス」とでも言えるでしょうか。映画のストーリーはシンプルで、Tourette Syndrome(トゥレット症候群)という障害を持ったブレッドが、小学校教員を目指すという展開。トゥレット症候群というのは簡単にいうと、チックの症状に声が加わるような感じでしょうか。無意識に鳥の鳴き声のような奇声を発してしまうのです。そんなブレッドですが、6歳の時にこの症状を発症して以来、学校ではいじめにあったり、テスト会場では奇声を発するとの理由で退席させられたりと、苦労を重ねながら生活してきました。ですが、本人の性格は至って明るく前向きで、教員を目指します。大学を卒業後、就職しようと試みます。自信満々で面接に臨むブレッドでしたが、結果は散々で思うような結果は得られません。どこの学校もブレッドの症状が不安で教員としては適さないとの判断を下したのです。そんなブレッドはそれでも諦めずチャレンジした結果、一つの小学校から合格の通知を得ました。晴れて先生になることができたのです。それからのブレッドは水を得た魚のように子供の心を惹きつけ、最高のクラスを作り上げました。生徒の親や他教師からはブレッドの症状をみて、嫌悪感を抱かれることもありましたが、子供たちはブレッドのことが大好きでした。

感動シーンは教え子の死

そんな中、ある生徒が病気で無くなってしまいます。小学校1年生くらいなので、まだ8歳くらいだと思います。ブレッドのクラスの生徒でした。ブレッドは教会で開かれるお葬式(funeral)に招かれましたが、自分は教会の中には入らず自主的に外で待つことしました。自分の奇声が参加者に迷惑をかけると思ったのです。ブレッドが教会の外で涙を浮かべながら立っていると、亡くなってしまった子供のお母さんがやってきて、ブレッドに式に参加するように促し、教会内に誘導しました。このお母さんは我が子がブレッド先生を心から慕っていたことをよく知っていたので、先生に我が子の最後をしっかりと見送って欲しかったのでしょう。

ブレッド先生、新人教員賞を受賞

新任として働き始めて間も無く、教え子を亡くすという苦しい想いをしたブレッドでしたが、彼の情熱は収まることなく、どんどん子供の心を惹きつけ、魅力的な授業を展開して行きます。ある日、いつものようにブレッドが個性的な授業をしていると、教育委員会の担当者がブレッドの授業を評価しにきました。ブレッドの授業を受ける子供たちの目は輝いています。教育委員会の担当者はそんなブレッドの授業を高く評価しました。ブレッドは州における新人教員賞を受賞することになったのです。

授賞式での最高のスピーチ

新人教員賞の授賞式でブレッドがスピーチをするのですが、またその言葉が胸に刺さりました。「僕にとって最も大切な先生はこのトレッド症候群です。この症状が僕に色々なことを教えてくれました」と。 

感想

見ている人を熱くする映画です。アメリカっぽくて、分かりやすく、典型的なハッピーエンドストーリーですが。実話をもとに作られているとのことで、逆にそんな単純なストーリーが、変な邪念もなく胸を熱くさせてくれました。苦労した人間は笑って終わってほしいですよね。

ネタバラシしてすみませんでした。

 
                    


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