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2023年5月の台北に降りる

わたしはもう一生海外旅行ができないかもしれない。
台北のお気に入りの場所で、現地の友人たちとたのしく過ごす時間はもう来ないのか。
mRNAワクチンを接種するつもりがないので、そんなことを考えると辛くなり、台湾関連の本をしばらく開くことができませんでした。

しかし情勢はゆっくりと変化します。
2023年5月8日に感染症法上の分類が2類相当から5類へ以降。
空港では前倒しの4月29日から「出国前72時間以内の陰性証明書」および「ワクチン接種証明書(3回)」のいずれも提出を求めない、とした事実上の水際対策撤廃。わーいわーい。

期限が切れていたパスポートを申請し、5月14日~20日の滞在を決め、わたしと息子2人分の飛行機チケットを入手したのが4月中旬。
これまではチャイナエアラインを使っていましたが、今回は買い付けもしたかったので手荷物をひとり2つ預けられるJALを選びました。

宿は、台北の迪化街入口にあるOrigInn Spaceを予約。台北の定宿です。
5年前の2018年に息子と2人で初めて宿泊した際に、たまたまオーナーと知り合い、スタッフのみなさんも交えて交流を深め、家族ぐるみで付き合う友人になりました。

今回は準備の時間がなくて、取材ものの企画を立てることができなかったけど、帰国後にPOP UPショップを開く計画は立てました。
うちの本棚にたくさん並ぶ台湾関連の本と雑誌を開きながら、あそこに行きたい、あれを食べたいと思いを馳せる日々のなんと幸せなことよ。

そんなこんなで、2019年7月以来、3年10カ月ぶりに訪れた台北。
飛行機が松山空港に到着し、入国審査をスムースに通過、手荷物を受けとり、現金を両替し、タクシー乗り場でタクシーに乗り、宿へ向けて走ること10分ちょっと。
その間、車窓から見える街並み、漢字の看板、バイクの流れ、目に映るすべてが懐かしく、再び海外旅行ができる喜びを噛みしめました。

そしてあっという間にOrijInn Spaceに到着。
息子がドアに駆け寄り、スタッフである友人のロバートの姿を見つけると「ロバートがいたよ!」とうれしそうに教えてくれます。ロバートがドアを開けて出迎えてくれて、雑貨店兼カフェになっている宿1階のテーブル席に座ったところで、なんだかもう満足してしまいました。
約4年ぶりの訪問なのに、ブランクをまったく感じない不思議。
しばらく遠のいていた距離をあたりまえのごとく自然にキュッと縮めてくれる、それが台湾らしさであり、魅力なのかもしれない。ああ、だからわたしは台湾を好きになったのだなとあらためて実感します。
いろいろ迷ったけど、訪れてほんとうによかった。



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