DJが下手だったからこれだけDJを続けられた/いっちょの酒の代わりに文章を 二十二杯目

いや、そんなにDJ下手じゃないです。そんなには。でもすごく上手いわけでもないし、人並ちょいぐらい。自分で言うのもアレですが、それなりにちゃんと練習したら普通にできるでしょ、ぐらいのことしかできません。同じぐらいでDJ始めた人とかドンドン売れていったのを指をくわえて眺めてたあの頃、懐かしいですね、思い出したくないけど。
僕はDJ始めて比較的早い段階で自分がDJが下手だと言うことに気付いて。それでもDJするのがすごく好きだったので。それでもDJできる方法を色々考えた。そんなことをちょっと振り返った話など。

一番大事なことは、自分の「好き」ときちんと向き合うことな気がしていて。というのも、周りが言うところの「ウケるDJ」みたいな、自分の好きを無視したことは他の人でも同じことができてしまう。そうなるとあとは技術力勝負なわけで。周りを見渡したら自分より技術ある人なんて腐るほどいる。この人達と同じことやっても絶対勝てないわけですよ。そしたら人と違うことしなきゃ、ただ奇抜なことしてもしょうがないので何やるか考えなきゃ、って考えたら否応なく自分の好きなものと向き合うことになるわけで。

自分が好きなものが見えたら次は「その需要はどこにある?」ってところを探ること。やたらめったら攻めても体力が持たないし時間も足りない。だから、まずは同じラインを攻める人の後を追って、居場所を作って。
探すと意外とそこそこあるわけで。あとはひたすらDJする、って感じじゃないですかね、と。あとは場数こなせば段々と技術は向上しますよ。現場で学ぶことは本当に多い。流した曲にどんな人がリアクションするか、なんて試してみなきゃ分かんないし。

きっと、もし僕が最初からDJが上手かったらこんなに色んなイベントに呼んでいただくことはなかっただろうな、と思う。自分の好きなものを鑑みないでやった僕のDJはきっと、その他大勢に埋もれたDJになっていただろうなぁ、とか。改めて、才能がなかったからこそ、今でもDJであり続けられたな、と思う次第です。

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