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〈旅行記ー海外〉 ソーセージとパン、1つ目

ソーセージとパン。と言えば何を思い浮かべるだろう。
そこにビールもつけちゃう。
これなら分かる? 分かるよね?
そう、ドイツである。
私は今年の黄金週間に、同僚たちが出勤している中、堂々と休暇を取りドイツに向かった。

初のドイツ!
初の完全一人旅!(これまでは一人でツアーに潜り込むか友人と二人旅行だった)
そんな私はドイツ語を一切解さない!
英語も辛うじて分かるような、まぁとりあえずノリと勢いと愛想で乗り切るか! というレベル。

そんな私が無事に7泊のドイツ旅行を安全かつ楽しく満喫できるのか。
正直、行くまでめっちゃドキドキしてた。
こわっ! やば! なんて思っていた。
ところがどっこい、昔から私は本番に強い。
いざ事に臨んだら、ドーンと横綱の如く迫力で構えて落ち着いている。
まさしく王者の風格。
始まるまでは幕下の力士を見て尻尾を巻いて逃げるチンピラみたいなビビり方なのに。

そんな私、最初に降り立った地はフランクフルトであった。

フランクフルトに到着、初めてのドイツ

フランクフルト国際空港はまぁ広い。
私の知る中で……はそんなに広くないか。やっぱりモスクワの空港とドーハの空港が桁違いだ。たぶん。知らんけど。
しかしフランクフルト国際空港、到着ロビーに至るまで歩きながら私は首をひねっていた。
なんでこんなにロレックス。
ってくらい、備え付けの時計がロレックスロレックスロレックスロレックス……だらけなのである。
まぁなんのことはない、ロレックスの本社はドイツなんだね。それだけの話である。
フランクフルト空港からフランクフルト市街までは、高速鉄道も出ているが普通のメトロで十分だ。
ただし始めてだとぶっちゃけホームが分からない。
事前に改札で切符を買い求め電車に乗り、改札がないので無賃乗車も出来なくはないが、車内で車掌さんに見つかったら高額な罰金だ。
あぁ怖ェ、オラそんな勇気ねぇだ。
ということで私はフランクフルトの空港に到着後、颯爽とTourists centerに向かった。
目的は「フランクフルトカード」の購入である。
なんとこのチケット、刻印した日は電車バス路面電車に乗り放題、そして美術館等の施設も割引きが効く。
下手に片道切符を買うより、確実に無賃乗車を避けられる。私天才。嘘です、「地球の歩き方」様々です。
私が到着したのは昼過ぎだったが、使えるのではないかという淡い期待を胸にTourists centerへ向かう……途中。
待ってくれ警察がたくさん居るんですけど。
男性2人を取り囲んで取り調べ的なことやってるんですけど。
なにー!? 怖いよー!!!
心で絶叫しながら真顔で足早に通り過ぎるワタクシ。
カタール航空の到着ロビーからTourists centerまではそれなりに遠かったが、ようやく到着。

「こんにちは! フランクフルトカードありますか?」

にこやかにドキドキしつつ尋ねる私。
無表情の美人が怖いってこの時私は改めて実感した。
だが相手も伊達に空港で働いているわけではない。

「Yes」

端的だけど分かりやすい! 下手に遠回しに言われるより分かりやすい!!
ノンネイティブ(しかも英語苦手)に優しい親切設計!! まじありがとう!!!
イギリスで昔の紙幣を両替できないかダメ元で両替センターで訊いた時、しつこく
「You might go to the bank.」
と言われたのを思い出す。
英語ができない、そしてアメリカ英語を習ってきた限りある知識では、確か「might」ってかなり確実性の低い「可能」とか、「よく分からないけど、〜した方がよいかもね」っていう提案とか、そういう意味合いじゃなかったっけ。
と思いつつ、「I should go to the bank, right?」と確認の意味で訊いたら、再度
「You MIGHT go to the bank」
とめっちゃmightを強調されたっけ。
閑話休題。
さて本筋に戻ろう。

クレジットカードでフランクフルトカードを購入した私は、ホッとしたと同時に、ようやく余裕が出た。

「だんけ!」

辿々しいにも程があるドイツ語。
しかしこれは効果覿面だった。
無表情だった氷の美女に笑顔が舞い降りる。
やっぱり旅行者が辿々しくも現地語話してくれると嬉しいよね、うんうん、などと思いながら私はフランクフルト市街に向かうべく電車乗り場に向かーーえ。ホーム、どこ。

ホームの場所が分からないのではない。
ホームはあった。
それはもう、たくさん、びっくりするぐらい、色んな場所にあった。

ど れ に 乗 れ ば 良 い ん だ よ !!

時刻表を見ても、正直よく分からない。
こんな時に頼りになるのがGoogle先生である。
助けて、ぐ〜ぐる〜〜!(日本一有名な耳のない猫に呼び掛けるイメージで)
……あったあった。
私はホームに降りた。
そしてGoogle先生が示すより先に到着した電車。行き先は……違うね。
もしかしたらこの電車もフランクフルトに到着するかもしれないけど、まぁ次を待とう。
次の電車はGoogle先生も乗れって言ってる電車だし。よしよし。
そんなことを思いつつ立つ私の前に、そびえるスキンヘッド。
全面タトゥー、そして筋肉隆々な男性。

ひーーー。

私の脳裏によぎったのは、ナ◯スに傾倒している非常に過激なナショナリスト集団(別名人種差別主義者とも言う。今勝手に私がつけた)がドイツには居るという事前情報である。
完全なステレオタイプだがそれが時に身を助けることがある……が、さすがに今回は穿ち過ぎであった。
なんの問題もなく、私は電車に乗りフランクフルトに向かう。
出発前に見たドイツ旅行のblogでは、ドイツは日本と似て電車の遅延があまりないということだったが、私の乗った電車はGoogle通りに空港の駅を出発し、そして30分ちょっと遅れてフランクフルト中央駅に到着した。

うーん、時間に……正確?
いやそれは……どうだろう。

まぁでもほら、Google先生が間違えてたかもしれないけどね!
……めっちゃ陸橋の所で止まってたけど。
どこの国でも時間の余裕は大事、これ真理である。

ちなみにドイツは基本的にどこも電車の中で携帯電話をいじっている人がいたし、危険は感じなかった。
フランスやスペイン、イタリアの地下鉄の方が危険度は高いのかもしれない。
しかし私、何を隠そうスペインとイタリアでは電車に乗っていないし、フランスの地下鉄でも噂に聞いたスリの集団等には出会わなかったので、今回のドイツ旅行もたまたま運が良かっただけかもしれない。

フランクフルト駅に到着しても、各種旅行雑誌に書いてあるような旅行者目当ての変な人に出くわすこともなく、ホテルに荷物を置く。
そして向かう先は、フランクフルト市内観光である。
駅から東方に向け大きな通りがあり、そこが一番の繁華街だ。夕方になればワインの屋台なども設置され、人でにぎわう。
だが不肖わたくし、欧州旅行では色気より食い気より歴史っ気である。歴史オタクというにはあまりにも知識不足だが、かつて暮らしていた人々の息吹を感じるのが好きなのだ。
それからやはり忘れてはならないのが美術館と博物館である。
正直、私の好きなレンブラントやモネ、マネ、ルノワールあたりは腐るほど見てきたので大抵のことでは食指が動かないのだが、歴代皇帝や王、教会などの権力者たちが有していた財宝には興味がある。
最近私が訪れたロシアや中欧はどちらかというと可愛らしい造形のものが多かったのだが、ドイツの歴代権力者たちが後生大事に持っていた財宝は見渡す限り金・金・金! これでもか! というほど金!
まぶしくて目が潰れてまうわ。
と言いたくなるほど、フランクフルトだけでなくミュンヘンでもケルンでもニュルンベルクでも金・金・金だった。
それからあと、骸骨ね。
教会に祭られている恐らく聖人となったかつての教皇? と思われる骸骨だ(なにぶんドイツ語は分からないので推察するしかない)。
ヨーロッパのキリスト教会では確かに聖人の遺骨を宝物としている傾向があると思うが、全身の骨を人の形に組み立てなおし、きらびやかに飾り立てて人目に触れるところに祭っている教会、私ははじめて見たよ……。
金と骸骨。
それが私のドイツ旅だった。わけではない。

ていうかそもそも、その骸骨があった教会ってフランクフルトだったかな……レーゲンスブルクだった気がする。もはや記憶があいまいである。
しかしドイツ旅行について詳細を知りたい人は私の雑感にまみれた日記もどきの雑記など読まないと思うので(もし読んでいたらぜひ「地球の歩き方」を読んでください。え、もう読んだ? それは失礼をば致しました)、気にせず心の赴くまま、徒然と書く所存だ。

長くなってきたので「ソーセージとパン、2つ目」に続く。多分。

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