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中村のぶ子「図解まるわかり 電池のしくみ」

・本書は、サイエンス編集ライターで、ブックライターでもある著者が、電池の基礎から歴史、スマホやノートPCに欠かせないリチウムイオン電池、燃料電池や太陽電池など、色々な電池のしくみや知っておきたいことが幅広く学べる1冊。

・電池の種類は非常に多く、用途も多岐にわたっている。その中のひとつである「乾電池」が、最も古くから普及した、一番有名な電池である。
・1780年頃、イタリアの生物学者ルイジ・ガルバーニはカエルを解剖する際に、足に銅線を刺し、これを鉄の棒につるしたところ、カエルの足がぶるぶると痙攣することを発見。これを見たガルバーニは、動物の体内には電気が流れていると考え、「動物電気」を提唱するも同じイタリアの物理学者であるアレッサンドロ・ボルタは、銅と鉄という異なる2種類の金属が、カエルの足に含まれる体液と接したことにより電気が流れて、筋肉を収縮させていたと主張。
・その後、ボルタは、カエルの足の代わりに、塩水を浸した紙に2種類の金属を接触させると電気が流れることを突き止める。
・この現象を応用し、ボルタは1794年、亜鉛と銅に塩水を浸したスポンジ状物質をはさんだものを何層にも積み上げたボルタ電堆を作った。
・このように異なる2種類の金属と、カエルの足の体液や塩水により電気が流れることが証明され、動物電気説は否定された。
・その後ボルタは1800年、ボルタ電堆を改良し、亜鉛と銅の2種類の金属と希硫酸を用いた、ボルタ電池を発明した。
・ボルタ電池は、ボルタ電堆と同様に科学反応で電気を作り出しており、どちらも世界初の科学電池とされている。
※ボルタ電池の構造、「電気が流れる」(電流)のしくみの詳細、ここから現代までの電池の歴史については、本書をお読みください。

・本書では、「電池って何?」「使い切り式の電池」「繰り返し使える電池」「私たちの生活を激変させた電池」「クリーンで安全な発電装置となる電池」「光や熱を電気エネルギーに変える」「電池をめぐる世界」という章で構成されており、「日本で開発された世界発の幻の乾電池」「パワーがあり長持ちする、現在最も普及している電池とは」「充電可能な電池が永遠に使えない理由」「電池のこれから(発電所がバーチャルになる!?など)」といった電池の仕組みの基礎から歴史ならびに、さまざまな電池とその活用事例が網羅された内容となっている。

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