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岡本太郎「自分の中に孤独を抱け」

・本書は、1970年の大阪万博で太陽の塔を制作した芸術家の岡本太郎氏の「生き方」をテーマに、古い書籍や雑誌、講演やラジオの文章をまとめた1冊。

孤独を悲壮感でとらえるな
・人間は、孤独になればなるほど人間全体の運命を考えるし、人間の運命を考えた途端に孤独になる。だから人間一人ひとりが孤独でなければいけない。それが人間の矛盾律だ。
・ひとはみな、この社会、集団のなかに生まれ、社会的存在として生きている。だが同時に、徹底的に孤独な存在だ。ひとはだれもが"みんな"であると同時に孤独なんだ。
・孤独とは、しょんぼりしたり、がっかりしたり、自分の身を引くことじゃない。"ぜんぶ"の上に覆いかぶさり、みんなの運命、全人類の運命を背負い込む。それがほんとうの孤独だ。

自分が決意することで、ほんとうのドラマがはじまる
・嫌われたっていいじゃないか。憎まれて結構、好かれて結構。そもそも、好かれるより悪口を言われたほうが世の中は動くんだよ。好かれてばっかりで波が立たないのはつまらないんだな。だからほんとうのことを言い、どうせなら嫌われるなら大いに嫌われる。そうすべきだし、そのほうが断然おもしろい。
・「このオレがー」って考えるとら罪の意識や、恥、苦痛を感じるものだけど、後ろから自分で自分を押し出してやれば、自分自身を客観視できるから、そういうものから自由になれる。
・ドラマを動かしていくには、なによりすばらしいドラマにするためには、自分自身が危険を犯して嫌われる。抵抗されるという前提に立たないとダメ。ただのお人好しで、ただ引っ込んで、いつも謙虚で、自分の安全だなんて安心していたら、ドラマが生まれるわけがない。
・自分が決意することによって、世界のドラマが、宇宙のドラマが、ほんとうのドラマがはじまる。人間全体のドラマが展開するんだ。そう考えれば、のんびりと楽しく、自分だけ幸福に生きようなんて、ぜったいに思わないはず。

謙虚とは、己れを徹底的につらぬくこと
・ほんとうの謙虚とは、人前で己れを低く見せるなんてことじゃない。逆に自分の責任において、己れを徹底的につらぬくこと。岡本太郎氏が"岡本太郎"を打ち出しているように。
・一般大衆は、真っ先に自分の"分際"を考える。ひとに接するときに都合がいいし、好かれるからだ。そうしておけば無難に生活できる。
・だからみんな、自分の分際を心得て、消極的に生きていこうと考えている。それが、謙虚であることが世渡りの第一歩だと考えている。

・本書では、「人生のドラマは、いつだって自分が中心だ」「「挑み」をやめた瞬間から老人になる」「人間は樹に登りそこなった」「創造すること、それは人間の本能的な衝動だ」「ぼくは抵抗する。その決意はますます固い」という章で構成されており、"岡本太郎という生き方"をテーマに、過去の資料を基にまとめた内容となっている。

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