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間嶋沙知「見えにくい、読みにくい「困った!」を解決するデザイン」

・本書は、高知在住のフリーランスデザイナーで、高知市を拠点に県内外の企業、店舗、個人、スタートアップのサービスや商品に関わる印刷物やウェブのデザインを手がける著者が、「色の見分けがつかない・文字が読みにくい・どういった意味の図解なのかわからない」などのみんなが「困った!」を「こうしよう!」(解決)に導くヒントを伝え、ダイバーシティ(多様な人材の活用)やインクルージョン(障がいのある人とそうでない人が共に学ぶ仕組み)を実現するコツについて紹介した1冊。

・情報発信やデザインをするとき、誰かを意図的に排除しようと考える人はいないだろう。しかし、標準的な受け手や理想的な状況のみを想定していると、思わぬ壁を生み出してしまうことがある。
・グローバル化や高齢化、オンライン化が進む今日では、標準的な利用者像に収まらない多様な人々が同じ社会に生きている。まずはデザインの向こう側にいるさまざまな人や状況について知ることから始めること。彼らはどんなことに困り、どうすれば解決できるか。視野を広げ、知ることで取り除ける壁はたくさんある。

「困った!」を解決するデザインの手法(一部)

ことばについて
・デザインをするとき、「いつ・どこで」「誰に」「何を」伝えて、どんな行動を起こして欲しいのかを考えるが、言葉を選ぶときや文章を書くときも、この考え方は有効である。
・相手の関心や求めている情報ら発信側が伝えたいことと読み手との距離によってら適切な言葉の組み立て方は変わる。言葉が変われば、デザインのトーンとマナーも変わるのだ。

・伝える内容を理解し、整理することから良いデザインは生まれる。デザインの手を動かす前に、次の4つのポイント(「いつ・どこで」「誰に」「何を」「ゴール」)が明確になっているか確認すること。この4つが曖昧なまま作業を進めるとらデザインの表現や判断基準もブレてしまうのだ。

・伝える情報がそろったら、ゴールに向かって言葉を組み立てていく。手順としては、
①情報をグループごとに分類・整理する
②グループの内容を表す見出しを立てる
③仕上げに一つひとつの文章を整える
という流れである。
・読みやすさを向上することために、
1 具体的に書く
2 読者目線の表現にする
3 二重否定を避ける
などを意識するといい。
例としては、
「多くの指導実績!→100名以上の指導実績!」「指導内容レポートをお届けします。→学習内容レポートを受け取れます。」「復習しないと、身につきません。→復習すると、身につきます。」
が紹介されている。
※「専門用語、業界用語、略語の使用に注意する」「一文一義で簡潔に伝える」などの事例も書かれているが、詳細は本書をご覧ください。

・本書では、困った!が生まれる理由やユニバーサルデザインの7原則などが紹介された「みんなのデザイン」という章から始まり、6人の登場人物(D型色覚を持つ小学3年生・ディスレクシア(学習障害の一種)の娘さんを持つドラッグストアで働く女性など)の声をヒントに、さまざまな困った!(色・文字・ことば・図解・UI)を減らすための工夫が紹介された内容となっている。

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