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最堂四期「みんな釘のせいだ」スピンオフ!

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NovelJam2018秋で発表された最堂四期が描く「釘萌え」ファンタジー、「みんな釘のせいだ」のスピンオフ作品を連載しています。本編ともどもよろしくね!
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記事一覧

スピンオフ小説『これは誰のせいだ?』後編

前編はこちらです ――――――――――――――  永治は和釘の声を聞きながら、レンタカーを走らせる。向かう先は「藍槌燈界」という名の人物が待つ隣県のはずれ。詳しい事情も説明されぬままに、三本の釘を運ぶよう叔母に頼まれたのだ。 「言っておくけれど、俺は運転に集中するから、話しかけるな」 『どうせお話に混ざりたくなりますよ』 「うるさい」 『ほらね!』  それみたことかと言いたげなムナカタの声にいらつき、永治は乱暴にアクセルを踏んだ。目的地まではまだ距離がある。ラジオを流そ

スピンオフ小説『これは誰のせいだ?』前編

この短編は、NovelJam2018秋(テーマ「家」)にて出版した小説『みんな釘のせいだ』のスピンオフ・ストーリー第二弾です!本編を読むとより楽しめる作品です。(著:最堂四期) 『これは誰のせいだ?』 釘の声が聞こえる男、宗方永治。相変わらずこの現象は、超能力かノイローゼかハッキリしない。 そして彼は再びノイローゼ気味になっていた。原因は、自宅に届く奇妙な手紙…。そんな中、特注の和釘を納品先に「直接」届けてほしいと叔母にお願いをされる。なぜ自分が? わからない。場所どこ? 

スピンオフ小説『みんな猫のせいだ』

この短編は、NovelJam2018秋(テーマ「家」)にて出版した小説『みんな釘のせいだ』のスピンオフ・ストーリーです。 (著:最堂四期) 『みんな猫のせいだ』釘の声が聞こえる男、宗方永治。相変わらずこの現象は、超能力かノイローゼかハッキリしない。そんな彼の勤める工房に、出入りする野良猫がいっぴき。普通じゃないこの猫は、つくられたばかりの"無垢な釘"と出会うーーそして釘と永治に訪れる変化とは。 ――――――――――――――  わたしはただの猫である。  野良猫なので名前