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ヘルメット

最近近所で新しい建設が始まり、通勤の時間帯でもすでに作業が始まっている。
私の意識は布団の中。私はぼんやり、その光景を眺める。

ヘルメットを被った作業員の方。
ふとみると、わたなべ、A型と書いてある。

ヘルメットに書いてある言葉をそのまま読んでみる。
名前と血液型。ヘルメットの後に確かにその2つが記されていた。

駅までに向かう道のりで、思考を巡らせる。
きっと、工事中に何か事故が起きた際に、すぐに輸血できるように
血液型が記載されているのだろう。
名前がわからなくなるまでに誰だか判別できなくなることなんて
あるのだろうかとふと工事現場の過酷さにゾッとする。

そして、自分の職場でも同じようにヘルメットを被ったら。
たかはし 心配性とか、たなか おっちょこちょい、
ふじた 数字に強い、はまだ 気配りのあるとか書かれるのだろうかと想像してしまう。

後者のように良い気質はヘルメットに記載されても問題、むしろ誇れるが、
前者のように弱点が記載されてしまっては、恥ずかしい。

初対面の人に対していも、この人はおっちょこちょいと思われてしまう。

自分がヘルメットをかぶるとしたら、なんと記載されるのだろうかと、
ありもしないことを考えながら、今日も眠気と戦いながら、仕事に向かう私。

きっと「ねぼすけ」とか。

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