記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

盤上の向日葵 柚月裕子


あらすじ

埼玉県大宮北署の刑事佐野は、県内の山中で発見された白骨死体の事件捜査に関わることになる。白骨死体には、将棋の駒が一緒に埋められていてこの駒を辿る捜査を県警の石破刑事とあたることになった。問題の駒は、初代菊水月作で高価なものだった。現存している駒は、7つその持ち主を辿ることになったが…。


ここからネタバレ含む感想

山中で発見された白骨死体から始まった事件捜査の経過と実業家からプロ棋士に転身した上条桂介の過去が順に語られる。現在の事件の語りは、刑事佐野、上条の過去は、最初は元教師の唐沢、成長したのちは、上条本人の語りになる。
物語は、不運な人生にも負けず、自ら人生を切り開いていく上条の生い立ちがメインであるがなかなかハードな人生なので、読んでいるとズッシリと重みを感じるお話でした。
誰も信用できない、頼れない中で生きていくのキツイだろうなと思いますが安全な人生もないのだろうなと思いました。上条の人生の岐路があるとすれば恐らく唐沢からの申し出を断ったところではないかと思いますが、そこで申し出を受けていたらまた違った人生を歩めたのではないか。もっと、進みたい人生を歩めたのではないかと思うと残念に思います。また、唐沢の良かれと思った行動が帰って上条を追い詰めたようにも感じたので、塞翁が馬、人生何が正解なのか時間が経過してみないとわからないなと感じました。
物語は最終的な捜査の結末は出てこないのでその後どうなったのか…も気になりましたが、その後の話も重い話になりそうだったのであのシーンで終わったのはよかったのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?