トランプ2

多くのアメリカ人がイカれたトランプを支持しているワケ

今年11月8日に行なわれるアメリカの大統領選挙は共和党のドナルド・トランプ対民主党のヒラリー・クリントンの図式が明確になってきた。このトランプは不動産王にして、不思議な言動で注目を集める面白い人間だ。「日本は核武装して自力でアメリカの核の傘から出るべきだ」とかさまざまな過激にも見える発言をしているが、米国では一部の層では強く支持されている。

これに対してヒラリー・クリントンはごく普通のというかかなりの教育を受けた普通の人間に見える。とはいえ、弁護士あがりの元大統領夫人が普通の人間なわけもない。その発言はまさにエスタブリッシュメントで、社会の支配者側の人間という感じだ。

メディアはヒラリーを無意味に支持し、トランプを無意味にバッシングする。これはメディアコントロールによるものだろう。現代のメディアは広告を出しているものを批判するのは難しい。

そう、この戦いは一見、イカれたトランプ対常識的なヒラリーの戦いにも見えるが、見方を変えると、「普通の市民のビジネスマン」対「世の中を支配している者」の戦いなのではないか?

近年、アメリカでは、その富が1%の人間に集中していることが話題になるが、10年、20年前の多くの中間層は今や底辺にたたき落とされた。その人々は、今や誰がこんな社会にした?と考えている。そんな人々にアメリカを守ろうとするトランプの声はダイレクトに届く。

トランプは「メキシコに工場を作ったら、メキシコからの輸入に大きな関税をかけて、フォードの車なんか高くて誰も買わないようにしてやる!」というようなことを言ったこともあるという。言うまでもないが、これはアメリカの雇用を守る意思の表明だ。

グローバル化によって、人件費が安い場所で製造を行なってコストを下げるというのは1つの定番。ジョブスも大統領にアメリカで生産為てくれないかと?言われて、そんなことしたら、やっていけませんよ、と答えたという話があるが現在の大規模なビジネスでは普通とも言えることだ。

しかし、そのグローバルビジネスにトランプは「ノー!」と言うわけだ。

だが、グローバルビジネスにノーと言い始めたのはトランプばかりでもない。EUでもイギリスがEUから離脱し、グローバルなビジネスシステム(言い方を変えると全体主義的なビジネスシステム)にノーを突きつけている。

トランプが大統領になれば、アメリカはグローバルなアメリカではなく、アメリカ人のためのアメリカに変わる可能性がある。グローバル化という世界的な流れにもとどめが刺されることになるのかも知れない。

「チェンジ!」と言い続けたオバマ以上にトランプはアメリカを変えるのかも知れない。1%ではない多くのアメリカ人はアメリカを取り戻すのか?11月8日にすべてがわかる(変わる)ことだろう。

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