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理想が叶った2回目の結婚 (4)

いくつかの困難を乗り越え、2度目の結婚生活が始まり。すべてが理想通り、今度こそ大丈夫。と、思っていた。

一緒に住まない

当時のわたしは、独りで生きると決めて購入したマンションに、一人で住んでいました。彼も当時、複雑な事情を抱えており、広ーい実家で一人暮らししていました。


お互い一人暮らし
お互い一人暮らし


結婚したのですから、新居を構えるとか、どこか借りるとか、とにかく2人で暮らすものだと "今になって" 思います。

でも、なぜか。

当時のわたしたちは、喧嘩することもなく、深刻に話うこともなく、ごくごく自然に「そのまま別々に暮らす」という選択をしたのです。


うん、今でも謎
うん、今でも謎


こうして、週末だけどちらかの家(主にわたしのマンション)で暮らす、「別居婚生活」が始まりました。

別居婚。なんとなく負のオーラを感じなくもないワードですが、わたしにとってマイナス面はひとつもありませんでした。

だってだって、平日は誰にも遠慮することなくバリバリ働き、週末は1週間ぶりに逢う伴侶と超ラブーなのです。めちゃくちゃいいじゃん、別居婚!

そして、フリーランスとして自立しつつ、既婚という社会的肩書きも手に入れたわたし。ね、ね、これってまさに、理想郷ではないですか!


ついにキターーーっ!!
ついにキターーーっ!!


そんな生活が1、2年だったか2、3年、続きました(出ましたザ・曖昧っ)。

趣味嗜好がぴったりのわたしたち。それはそれは楽しく、仲良く、(別居で)暮らしていましたとさ。本当に。


楽しかったなぁ
楽しかったなぁ


なんでそうなったか、どっちから言い出したか、ハッキリとは思い出せないんですが、楽しかった数年の別居婚を経て、都心のマンションを賃貸して一緒に住むことになりました。

親からの干渉は一切無かったので、たぶん、わたしが言い出したのかもしれません。そろそろ一緒に住もうよと。

(賃貸なのに)壁の色が気に入らなくて、ペンキで全部塗りなおしたり、隣りから聞こえてくる太鼓の練習音(小学生)が日に日に上達することに感心したり、都会の夜景を眺めながら二人でお酒を飲んだり、たくさんの思い出ができました。

2人で暮らすのも悪くないなと思いました。


今さらわかった
今さらわかった


相変わらず仲良しだったのですが、いかんせん、彼もわたしも上昇志向が強かった。

一緒に暮らす家はそれなりのものでなくてはという、変なプライドがありました。"それなり" の基準は適当です。

仮の住処はそれなりを十分満たしていましたが、毎月のお家賃を考えると、終の住み処を探した方がいんじゃないかという考えに至りました。


ブーメラン

それから数か月後(1年以内だったと思う)。2人の "それなり感" に一致した、都内だけどちょっと郊外のタワーマンション、ペントハウスの一階下に落ち着きました。

当時の夫は30代前半でしたが、超優秀でしたので、年収はかなり上のクラスでした。そしてわたしも負けじと稼いでおりましたので、余裕綽々のDINKS(って今も言うのかな?)でした。

ラピュタのムスカばりに、新居の窓辺に立ち、2人で階下を見下ろしていたましたっけ。


高みの見物的笑い
高みの見物的笑い


そうなんです。なーんか嫌な予感しますよね。お気づきでしょうか。性懲りもなくまたもや、"子供がいない夫婦" になっていったのです。

今すぐにでも子供が欲しい。35歳を超えたわたしは焦っていました。

子供はまだいらない。30代前半の彼にはもう少し未来の話でした。

マンションを買うまでは、子作りが進ないことに目を瞑っていました。2人で住むことの楽しさを満喫・優先したいのかなと思い、彼の意志をこっそり尊重していたのです。

終の棲家が決まり「今度こそ!」と思っていましたが、お互い忙しかったせいかなんなのか、なんとなーくその辺の歯車がずれていきました。



因果応報という言葉が、頭をよぎります。自分でやらかしてきたことが、ブーメランのようにわたしの元へ返ってきたのです。


あわわ。
あわわ。


受け入れるより他はない。どんなにがんばったって、わたし一人で子供は作れない。物質的には最高に満たされているし、好きなことを好きなようにできて毎日楽しいし。


少しだけ目を瞑れば、何も問題は無い…よね。


でも、今のわたし(たち)、本当に幸せなのかな?


理想が叶ったはずの結婚生活が、なんだかとっても頼りなく、儚く感じられてきました。それはきっと、彼も同じだったのでしょう。

ある日彼は、「〇〇子好きだよぉ」と、衝撃の "寝言" を呟いたのです。

わたしだけを心底愛してくれていると信じていたのに。それだけは揺るぎないと思っていたのに。もう、ダメかも。


完全に折れた瞬間
完全に折れた瞬間


実際、ダメでした。

そしてわたしは、2度目の離婚を経験することに。別れるまでには紆余曲折ありましたが、この辺りは割愛させていただきます。けっこう辛かった。

そんなこんなで、いよいよ人生積んだ40の冬(だったと思います)。この先、明るい未来なんて、絶対に来るわけないっ!


振り返ってみて

理想と現実、外側と内側、なんだかとってもチグハグしていた30代でした。

感情がジェットコースターのように上がったり下がったり、でも、パブリックイメージはいたって穏やかに。外面がいい、仮面のわたし。もう、ぐったりですよ。

そんなわたしに付き合っていた当時の夫は、わたし以上にぐったりしていたんだと思います。ごめんね。

この頃からだんだん、無意識には気付き始めていたんだと思います。BE・DO・HAVEの三角形に。まだぜっんぜんわかってなかったですけど。

この30代を過ごしたからこそ、今のわたしがいるんです。ってよく聞くセリフですが、ほんとにそうだから言っちゃう。本当にありがたいなと思っています。

とは言え、当時のわたしはまじでどん底、底も底。あぁ、もうまじで終わったなと思いました。実際に2回離婚するとは。占い師、恐るべし。

つづく


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