連載 イチロー部屋のイッピン83. コッツェイ監督から貰ったイチローのサインボール
‘ 04年7月21日マリナーズとの試合前。アスレチックスのマーク・コッツェイが、「イチローのファンなんだろ!」と、こっそりポケットへ入れてくれたイチローのサインボール。‘03年イチローのキャンプを初めて訪ねたピオリアで、コッツェイがパドレスのグラウンドでバッティング練習をしている。「 “Kenji “ George’friend in Miami 」のボードを掲げると駆け寄って来てくれた。
コッツェイは、イチローと同じ時期にアスレチックでプレーした外野手。‘16年からアスレチックスのコーチを務め‘23年からアスレチックスの監督に昇格した。しかしながら、開幕から50試合で10勝40敗。コッツェイは、試合に負けるのは自分の責任ではないと思うのは難しく、負けが続くと魂を引きはがされていくような気持ちになったという。そこで、監督1年目が54勝108敗だったオリオールズのブランドン・ハイド監督に教えを乞う。
「選手は監督に、いつも変わらない、前向きな指揮官であって欲しい。毎晩、毎晩、相手に力の差を見せつけられ負けても、我々にできることは、選手に全力でプレーさせることだけ。そして少しずつ選手の力を上げて行く。そのためにもコーチを信頼して仕事を任せ、クラブハウスの雰囲気を良くしていく」
オリオールズは、5年目で若手が成長、チーム力が上がり‘23年東ア・リーグ地区で1位となりプレーオフに進出した。
アスレチックスの‘24年チーム総年俸は、30チーム中最下位の71億円。1位のヤンキースは436億円。戦力の補強もなく、ラスベガスへの移転も決まり、閑古鳥が鳴く球場。監督コッツェイの辛抱は続く。
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