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連載「イチロー部屋のイッピン」 18.ホームラン11月号 イチロー史上初200本安打達成–キミは「和製ミュージアム」になれる!-

1994年に発行された「ホームラン11月号」


「あっぱれ!&かっツ!」の張本勲氏は、イチローがプロ野球史上初210安打を達成した1994年に発行された「ホームラン11月号」で、スタン・ミュージアルのバッティングとイチローの振り子打法を写真で比較分析し、その共通点を探っている。

 ザ・マン と称されたミュージアルは、22年間にわたって活躍し生涯打率3割2分1厘を残したスタープレーヤ-。張本氏はイチローを最初に見たとき、昭和33年来日したカージナルスのミュージアルを思い出したという。

 ミュージアルは独特のクラウチング・スタイルからヒッティング・ポイントを大きく投手寄りに取り、軸足を前にずらしながら打っている。ミュージアム流スイングとイチローの振り子打法の利点、イチローの素晴らしさ、イチローの課題は体力の増強だと述べ、最後に“私の生涯安打『3085』を破るのもこの男だと確信する。”と結んでいる。張本氏は超高度な野球ができ、分かり、教えられる。だから、なぜイチローがヒット量産できたか?を“文字”にできる。

 2009年4月16日のエンゼルス戦。張本氏がセーフコ・フィールドのスタンドで見守る中、イチローは2打打席目にライト前ヒットを打ち3086本目lを刻んだ。大型スクリーンに張本氏をリスペクトする映像が流れる。恥ずかしそうな表情の張本氏、イチローにとっても誇らしくホッとした瞬間だった。

イチロー研究家 村本健二

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