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連載「イチロー部屋のイッピン」45.お父さんからの手紙

イチローさんが引退したシアトルから帰ってひと月後に、イチローのお父さんから手紙が届いた。まさに「驚愕」とはこのことだ。

手紙には、ご声援、ご支援、ご指導を頂いたことへの心よりの感謝とお礼、引退試合で感動を受け涙したこと、小学時代、中学時代、高校時代に指導を受けて、夢にまで見たプロ野球に進んだこと、一朗さんの人生第二章への思い、喜寿を過ぎて“人間万事塞翁が馬”という思いを強く感じる自身のこと、最後に「命ある限り、二人三脚で頑張ってくれた家内と、元気に余生を送っています」と綴られていた。

イチローの日米通算4367安打、708盗塁、ゴールドグローブ17回、オールスター17回、‛09WBC伝説の決勝打、MLBシーズン262安打、10年連続200安打は、子どもの頃に、お父さんと毎日欠かず行った「練習」なくして、これらの歴史的な偉業は、達成されてはいなかったと思う。

コロナ禍が終息したら、イチロー展示館“I.FAIN”、親子で「練習」した“伊勢山グランド”、210球を毎日右、真ん中、左と打ち分けた“空港バッテングセンター”、イチロー巻きの“馬上豊寿司”、お父さんが毎日立ち続けた“愛工大名電高校野球部グランド”を巡る「イチロールーツの旅」を、すぐにでも再開したい。

手紙には、“THANK YOU 51”のテレフォンカードが添えられていた。

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