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インタビュー記事作成のコツ@Ichimoto

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経験から学んだインタビュー記事作成のコツをまとめています。
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記事一覧

話の聞き方。相手にめっちゃ関心は持つけれど、それを直接ぶつけないのが大切だよね

今まで何回か若い方にインタビューライティングについて教える機会があったのですが、「インタビューの際に何を一番大切にしていますか」という抽象的な質問に対して、私がいつも一番に答えていたのはこれでした。 「相手に興味関心は持つけど、自分の興味関心から質問をすることは、できるだけ控える」 私は質問をする行為って、やり方によっては暴力になると思っています。 不意に深い質問をされて「なんであなたにそんなことを話さないといけないんだよ?」と思ったこと、ありませんか? 例えインタビ

津田塾大学の学生さんにご依頼いただきインタビューライティングの研修会を実施しました

今年の3月、津田塾大学の学生さんが中心に運営しているサークルCrews×Clues(クルーズクルーズ)の皆さんにインタビューライティングの研修会を実施する機会をいただきました。 「自分の経験を仕事以外で役立てられないかな」と考えていたタイミングだったので、ご依頼いただけてとても嬉しかったです。 実際に私が学生さんにインタビューして記事を書き、その動画と原稿をご覧いただき、気になったことを質問いただく流れで進めました。 私の話はメンバーのnaminさんが素敵にまとめてくだ

インタビュアーは「話す力」も大事だなと思った話

満足度の高いインタビューができたときって、何が良かったのかな?と振り返ってみると、聞き手である自分自身が「うまく話せた」ときなのかなと思いました。 「話せた」というのは、「相手の話の要約がうまくできた」という意味です。 私はよく、質問の代わりに、「〜ということなんですね」と、今相手が話した内容を短くまとめて確認するようにしています。横で聞いていると、「それ、相手が話したこと繰り返してるだけやんけ」と思われるかもしれませんが、これが結構インタビューの肝のような気がしています

好きなインタビュー記事を賞賛しまくる

心を動かされたインタビュー記事をひたすら褒めまくる、という取り組みをやってみたいと思います。初回の記事はこちら。 日々いろんなインタビュー記事に目を通していますが、熟読レベルで読んでいる媒体の1つにYahoo!ニュース特集があります。 著名なライター陣が手がけることが多く、展開や表現、材料の選び方など非常に参考になります。 その中でも芸術レベルで素晴らしいインタビューだと思ったこちらの記事(ライターは岡野誠さん)について、僭越ながらグッときたポイントをシェアしたいと思い

プログラミング未経験者がエンジニアの方に取材するためにやったこと4つ

ライターはどちらかというと文系出身の方が多いと思うので、IT企業やエンジニアの方への取材って敬遠される方も多いのではないかと思います。 私も最初は不安に思っていましたが、色々と任せていただくうちに、よほど高度な専門知識を扱わない限りは対応できるようになりました。 ただ、取材を重ねるのとは別に、「点」の知識を「線」や「面」にする勉強は自分でやったほうがいいと思うので、今回はIT業界の方に取材をするために私が役立ったなと思うことを4つまとめてみました。 1.『完全SIer脱

原稿を見直す時間が十分に取れないときにやるシンプルなこと

文章って時間を置けば置くほど粗が見つかるので、私は執筆してから最低2晩は寝かせてから見直して提出するようにしています。 1晩でもいいんですが、2晩寝かせたほうがたくさんの粗が見つかることが明らかなので、2晩置くようにしています。 3晩寝かせたらもっと見つかるかもしれませんが、流石にそこまで時間を取れる仕事は少ないですし、仕事が溜まるのは精神的にも良くないので、2晩にしています。 私の原稿提出のゴールデンリズムはこれでした。 「執筆→2晩寝かす→見直す→2晩寝かす→提出

話がそれがちな人のインタビューをする時の聞き手の心構え

・なぜか話がすぐに脇道に逸れる ・枝葉末節の話になるほどに本人が盛り上がってしまう インタビューでこういうことありますよね。 どうしてこうなってしまうのか考えたのですが、原因はおそらく次の2つなんじゃないかと思います。 1つは、相手のサービス精神が豊富すぎること。聞き手を楽しませようという思いが強いばかりに、記事に書けないような小話にばかりエネルギーを注いでしまう方がいます。 もう1つは、相手が照れ屋さんであること。「ミッションに込めた想いとか聞かないでよ、恥ずかしい

一問一答?一人称?インタビュー記事形式の決め方をフローチャートにしてみた

インタビュー記事の形式って、皆さんはどうやって使い分けていますか? 人によって呼び方は違うかもしれませんが、インタビュー記事の形式は【一問一答】【一人称】【地の文+「」】の3パターンがあります。 私はインタビューが終わった後に編集者さんと相談して決めることが多いのですが、今ひとつ決定プロセスを論理的に把握できておらず、ずっとモヤモヤしていました。 そこで、私の考えるインタビュー記事形式の決め方をフローチャートにしてみました。本当は一つにまとめたかったのですが、そうバシッ

2ヶ月半ぶりのオフライン取材で気づいた些細なこと

先日、2ヶ月半ぶりに対面取材に行ってきました。 「対面取材を久しぶりにやるよ〜」という方の参考になればと思い、注意点をさくっとシェアしたいと思います! 1.時計忘れないで!!時計、忘れました。(爆 オンライン取材だとPCで時間わかりますし、家だと腕時計つけないので、すっかり忘れて出てきてしまいました。 相手が話し始めてから気づいたのですが、あからさまにスマホを出して時間を見るなんてめちゃ失礼なのでできません。 「あーどうしよう……」と思いましたが、テンポよく要領を得

インタビュー中に聞き手が自分の話をするのはありか、なしか問題

インタビュアーの仕事は、「聞く」ことです。しかし聞き手の中には、 「自分の話は極力しません。とにかく聞くことに徹します」 という人もいれば、 「いやいや、相手との距離を縮めるためには、自分の話もした方がいいよ」 という人もいます。どちらが正しいと思いますか? 私は、基本的に聞き手は自分の話はしない方がいいと思います。その理由をお話します。 1.話し手が我に返ってしまうからインタビューというのはある種、異常な空間です。 自分の言葉に相手がひたすら耳を傾けてくれる。

オンライン取材をできるだけリアルに近づけるZoom操作手順

オンラインインタビューのやりにくさの原因は、一言で言うと、話し手に対する「没入感」が失われることにありますです。 インタビューでは相手の話す「内容」だけでなく、細かい表情や全体的な雰囲気、言葉にしていない感情などの、非言語的な要素をしっかり受け取ることが大切です。 しかし、オンライン取材では相手の顔しか映りません。直接見るのに比べれば画質もかなり落ちるため、「非言語的な情報」はかなり削ぎ落とされてしまいます。 さらに、オンライン取材は「聞き手の集中力を落とす罠」だらけで

気を抜いたらアウト。インタビューカット撮影中の「フリートーク」で意識すること3つ

ライターがカメラマンを兼ねる場合は、インタビューが終わってから他の人にフリートークをしてもらって、その間にライターがインタビューカットの撮影をすることがあります。 カメラマンがいる場合でも、撮影の場所を変える必要があるときなど、インタビューカット撮影のためにライターがフリートークの相手をすることもあります。 このとき「インタビュー無事に終わって良かった……」と気を抜いてフリートークを適当にやり過ごすと、話し手の良い表情が撮れず、せっかくのインタビュー記事が台無しになります

インタビュー相手にやる気がないときの応急処置3つ

社員インタビューなどの「やらされている」インタビューで稀にあるのが、話し手にやる気が見られないケースです。 まるで面接の模範回答を読んでいるような薄い話しか出てこないーー。 これは相当まずい状況です。薄い話、形式的な話から、クライアントの満足する品質の原稿を作成するのは非常に困難だからです。 良い原稿を書く使命のあるライターにとって、相手から無難な言葉しか出てこない状態では、インタビューを終えるわけにはいきません。 そこで、インタビューが始まってから、相手のやる気がな

「次の質問で頭がいっぱい」状態を解消する方法

ライターを始めたばかりの頃、「自分は聞き方に大いに問題があるのではないか……」と思っていました。 それは、質問をして相手が話し出した途端、「次の質問どうしよう」と考え始めてしまって、相手の話を全然聞けていなかったからです。 「話を聞きに来ているのに、聞けていないなんて、絶対間違ってる…」 なんとかしたいと思って参加した「インタビューのワークショップ」で運よく突破口を見つけることができ、学んだことを自分の中で育て続けていった結果、今ではそうした悩みはなくなりました。 相