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フィンランドに恋をして。志なき海外渡航。

この春、フィンランドに行く。

半年前、7年間勤めた会社を退職することを決め、ふと思い浮かんだ海外渡航という選択肢。
最初はなんとなくの“気分”だったが、行き先を定め、イメージを膨らませていくうちに、ふわふわとした“気分”が次第に固い“意志”へと変わった。
今では身体よりも先に、心が憧れのその国へ飛んでいってしまったかのよう。

わたしの旅はもう始まっている。


ストリートビューでのヘルシンキやタンペレのまちの妄想散歩、
言語交換のサイトで知り合ったフィンランド人とのチャット、
ガイドブックや参考書を通しての現地の文化のリサーチ。

渡航を決心して本格的に準備をし始めてから4か月ほど、毎日毎日、フィンランドのことで頭のなかがいっぱいで、多少の不安はあるものの、自分でも笑ってしまうくらい浮かれた日々を過ごしている。

それにしても、これまでほとんど海外への関心を向けたことのなかったわたしが、思い立ったようにフィンランドへ発つ。

この勢いとエネルギーの正体は一体何か。

正直なところ、海外で働いてみたいとか、外国語を話せるようになりたいとか、そんな高い意識は、残念ながらほとんどない。
一言で表現するならば「このまま人生が続いていくことへの漠然とした不安」。ただそれだけだ。

新卒で地方の小さなデザイン会社に拾ってもらい、温かい人たちに恵まれ、体調を崩すこともなく、充実した日々が続いていることには間違いない。
3月末の退職が近づいている今も、自分の仕事は本当に好きで、失敗や辛いことはたくさんあったけれど、後悔するようなことは思い当たらない。
それでも、この生活がこの先も続いていくのかと思うと、不安で仕方ない。

漠然としたその気持ちが膨らんで膨らんで、気がつけば退職という決断をしていた。
そして、幸運なことにも偶然、その抱えきれないほどの不安が、その大きさそのままフィンランドへの期待と興奮にうまく変換された結果、突如霧が晴れたかのように目を輝かせた自分がここにいる。

フィンランドに行けば何かが解決するわけではない、それはよくわかっているつもりだ。
溢れるほどのわくわくが、いつバランスを崩して、またもとの不安に戻るかはわからない。
でも、だからこそ今はこの高揚感が続く限り、直感に従って動いてみようと思う。

(2023.1.23)

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