Eriko🇫🇮💭

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Editor/Writer 📍Finland(2024.4-) 📷https://www.instagram.com/e_sary125/

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フィンランドに恋をして。志なき海外渡航。

この春、フィンランドに行く。 半年前、7年間勤めた会社を退職することを決め、ふと思い浮かんだ海外渡航という選択肢。 最初はなんとなくの“気分”だったが、行き先を定め、イメージを膨らませていくうちに、ふわふわとした“気分”が次第に固い“意志”へと変わった。 今では身体よりも先に、心が憧れのその国へ飛んでいってしまったかのよう。 わたしの旅はもう始まっている。 ストリートビューでのヘルシンキやタンペレのまちの妄想散歩、 言語交換のサイトで知り合ったフィンランド人とのチャット

    • 切り替え上手

      昨日、春が来た。あまりにも突然の訪問に驚いた。 たしかに、少し前から足音は聞こえていたけれど、ついこの前まで雪が残っていたし、もうしばらくかかるかなと思っていた。でも、一夜明けて、外に出れば、やっぱり春。 春分の日によーいどん!で春が始まらないように、季節の移ろいにはもう少しグラデーションがあるものだよなと、やや戸惑いながらも、日本だったら桜のつぼみが綻ぶような麗らかな気候をひとり喜んだ。 それにしても、人々の切り替えが早い。駅前広場のアイスクリームの屋台が商売を始め、レス

      • また、きらきらを見るために

        長い長い10日間だった。 フィンランドに来てから、2か所目の滞在先がどうも合わず、初日の時点で予定通り1か月間滞在するのは、無理だと思った。 その理由は自分の努力次第でどうにかなるものではなかった。 それでも、なんとか頑張ってみようと、前向きな気持ちで過ごす努力はしたものの、結果的に10日目にホストに別の場所へ移りたいと伝えることとなった。 ここに来てからの写真はほとんどないし、毎日書いている日記も辛い気持ちを吐き出すだけの場になっていた。 ただでさえ、英語力が乏しいのに

        • 言葉を持たない人の気持ち

          今の滞在場所には、わたしのほかにアメリカ人の女の子がいる。 当然、彼女は英語がペラペラなわけで、ホスト夫妻とのコミュニケーションは良好。たまに冗談を言い合ったり、あまり笑わないホストも彼女と話すときは笑顔を見せる。夜になると、彼らはリビングで海外ドラマを英語音声、フィンランド語字幕で観る。 何とか食らいついて観ればいいのだけど、言葉のほかにも色々な事情があって、心がすり減っていて、全くその気にはなれず、どんどん輪から離れてしまう。6歳の子どももわたしにはあまり言葉が通じないか

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        フィンランドに恋をして。志なき海外渡航。

          白米と味噌汁が恋しくなる時

          日本を離れて2週間。 白米と味噌汁を断って2週間。 案外食べなくても発作は起きないんだなと、自分自身をおもしろがって、何日間、白米断食できるか実験中。 ちなみに、鞄の中にはレンジでチンする白米とインスタントの味噌汁が入っているので、いつでも手を出せる状況ではある。 少食だしグルメでもないし、食べ物にそれほどこだわりや執着がないのは、海外滞在するのにはラッキーな性質だと思う。 渡航前にフィンランドの食についてよく聞かれていたけど、謎に包まれていてあまりうまく答えられなかった

          白米と味噌汁が恋しくなる時

          笑うタイミングがわからない/察しの塊

          話すのも聞くのも、英語のスキルはまだまだで、英語で話しかけられると、大まかな内容を聞き取ることはできても細かいことはよくわからない。 加えて、新しいホームステイ先のホストは表情が読み取りづらい。 機嫌が悪いのかなと思ったら、次の瞬間には笑っていたり、 世間話なのに深刻そうに見える表情をしていたり。 これがいわゆるフィンランド人の“stone face”かと構えてしまう。 自分に対して好意的なのかどうかが全然わからないので、精神的にかなり疲れる。 何とか笑うタイミングを合わせ

          笑うタイミングがわからない/察しの塊

          日本にもきっと、あったけど

          重い荷物を運んでいると、“Can I help you?”と声を掛けてくれる人たち、 通りすがりに視線が交わり、にっこり微笑んでくれる女性、 うつくしい旋律を歌うかのようにさえずる小鳥、 寒さを忘れ、いつまでも眺めていたくなる静かな湖。 日本にもきっと、あったけど、気に留めていなかった些細なこと。 決してフィンランドが特別なのではなく、気持ちを、身体をリセットするためにすべてを置いてきたから、見えていなかった世界が見えるようになったのだと思う。 はじめての海外だから、ちょ

          日本にもきっと、あったけど

          寒い思いをしていない/裸の付き合い

          フィンランドに来て、最初に驚いたのが室内のあたたかさ。 ホテルも家も街中のお店も、どこへ行っても寒い思いをしていない。 最も寒い時期はとうに過ぎて、気温が上がってきているのは確かだが、それでもわたしが現地に着いた日から数日は吹雪く日もあって、日本人からすれば真冬の寒さ。日本にいたら、もこもこの部屋着を重ね着して、眠るときには重たい布団を頭まですっぽりかぶっていることだろう。 ホストファミリーの家の中では、パネルヒーターのようなものがところどころに設置されていて、温度調節は

          寒い思いをしていない/裸の付き合い

          “何もしない”をしている

          フィンランドに何をしに来たかと聞かれると、答えるのがとても難しいが、強いて言うのであれば“何もしない”をしに来た。 基本的に何かをしていないと落ち着かないたちで、“何もしない”が苦手だ。これまでは朝から晩まで働いて、休日も予定を詰め込みがちな日々を送ってきた。それはそれで満たされていたし、悪くはないけれど、仕事がなくなったら自分には何が残るのだろう、そんな不安に駆られることもあった。 ホームステイでフィンランドの家庭にお邪魔して数日。 早々に“何もしない”時間がわたしにも

          “何もしない”をしている

          ほぼ観光客な、ヘルシンキでの2日間

          あっという間に、フィンランドに来て3日目の朝が来た。 12時間にわたるフライトの疲労、無事にここまで到着した安堵、はじめてのヨーロッパの街並みに胸躍る高揚感。 まだ、人に見せられるような文章を書くには、頭も心も準備が整っていないけれど、そんなことを言っていたら、しばらくは書くことができなさそうなので、せっかく早く目が覚めたから何か書いてみようと思う。 *** 到着日はフィンランドでも何日かぶりだという吹雪の日だった。 東京を22時ごろ発ち、ヘルシンキのヴァンター空港に現

          ほぼ観光客な、ヘルシンキでの2日間

          みんな、代わりに浮かれてくれ!

          渡航が近づくにつれて、どうしても現実的なことを考えるようになり、最近の検索履歴には「フィンランド 日本人 仕事」(だいたい職探しは極めて困難であるという内容がヒットする)とか、「海外 節約」といったつまらないワードばかりが残っている。 フィンランドの美しい景色や、かわいいお店がたくさん載ったガイドブックや雑誌をすっかり開かなくなっていたが、周りの友人たちのフィンランド熱の高まりにより、少しわくわくを思い出してきた。 わたしがフィンランドに滞在することをきっかけに、今年の夏に

          みんな、代わりに浮かれてくれ!

          住所不定無職?

          海外渡航に伴う、税や健康保険、年金のことが気になって、市役所に相談しに行った。 わたしの場合、退職と渡航がほぼ同時、かつ現住所(一人暮らし)と実家が離れていて、今住んでいるまちからは転出することになるため、複数の手続きを同時進行で進めなくてはならない。何から手をつければよいのやら。 市民課の窓口で状況を説明すると、必要な手続きを丁寧に案内してもらえた。 出張や留学などで日本を1年以上離れる場合「海外転出届」が必要になる。1年未満の場合、その届出は任意のようで、ワーホリビザ

          住所不定無職?

          20万円の前歯

          飛行機代、保険料、VISA申請費用…次々と口座から大金が引き落とされていく。 お金の余裕は、心の余裕。 予定していた出費ではあるけれど、残高を確認してはナーバスになり、加速する円安(マックス1€=¥163.4)にはもはや苛立ちを覚え、ここ最近はどうもブルーな気持ちから抜け出せない。 ただでさえ落ち込み気味なところに、追い討ちをかける出来事が。 渡航準備の一環として、意を決して大嫌いな歯医者通いを再開し、治療中の上前歯2本。(1年半前に自転車の単独事故で欠けており、治療が途

          20万円の前歯

          “ワーホリに行く”わけではないのだが、

          フィンランド渡航まであと1か月あまり。 フィンランド大使館からは滞在許可カードが届き、気がかりだった序盤の滞在先も決まり、いよいよという感じがしてきた。 数日前から、一人暮らしの小さな部屋には、新しく購入した80Lのスーツケースが、まだ空のまま広げてある。 友人や仕事でお世話になった方々に、退職とフィンランド渡航の報告をする場面が増えるなかで、なんとなく引っ掛かっていることがある。 「仕事辞めた後はどうするの?」という問いに対しての、「ワーホリでフィンランドに行く」という受

          “ワーホリに行く”わけではないのだが、

          海外よりも、歯医者がこわい

          海外渡航の準備のなかで、最も気に掛かっていたこと、それは「歯の治療」だ。 実は1年半前に自転車の単独事故で前歯が2本とも欠け、その治療を中途半端な状態のまま放置していた。虫歯もいくつかあるのを自覚していながら、とにかく歯医者が苦手で騙し騙し過ごしていた。 海外に行くよりも、歯医者に行く方がずっとこわい。 海外滞在中の保険を調べると、どの保険会社のプランを見ても、歯科治療に関しては特記事項があったり、オプション扱いになっている。海外移住をした人が、歯科治療のために日本へ一時帰

          海外よりも、歯医者がこわい

          メールダイエット

          “フィンランド人は〜”“日本人は〜”と何でも一括りに語りたくないが、少なくとも自分の実感として、フィンランド人のメールはとても簡潔だ。 渡航後の滞在先を探すため、これまで数人のフィンランド人のホストとメールのやりとりを続けているが、どの人も返信があまりにもシンプルで驚く。日本人の感覚からすると冷たいとさえ感じてしまう。 返信のスピードはなかなかにスロウ。2週間連絡がなく、やんわりと催促したところ、特にSorryの一言もなかったところにもカルチャーショックを受けた。自分だっ

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