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光る君へ(6)登場人物の動機・大河ドラマで学ぶ脚本テクニック

大河ドラマ「光る君へ」が面白い。ということで、「「光る君へ」で学ぶ脚本テクニック」と題した動画を作っていくことにしました。動画といっても内容はスライドとテキストなので、noteにも載せていきます。今回は第六回の学びポイントです。
歴史の知識や「源氏物語」については一切触れませんので、予めご了承ください。

今回の学び

第六回は、なるほどそうかと膝を打つ回でした。

まひろと道長は、文学と政治、それぞれの分野で、なぜ歴史に名を残す人物になったのか。
その疑問に対するドラマ的な解答が今回のテーマだと思います。

学びポイントは 動機とライバルです。

動機

まずは動機です。
今回、まひろと道長のキャラが豹変します。
ふたりが「紫式部と藤原道長になった」といってもいいかもしれません

前回描かれた「母の死に対する罪悪感」が動機となり、まひろを文学へ、道長を政治へ向かわせた。それが今回のテーマだと思います

まひろは、「道長から離れるために、自分の命になにか使命を持たせなければ」と考えます。

その使命が「書くこと」になることは明らかです。

またその内容が、女性主体の物語になるだろうことは、蜻蛉日記の解釈を披露する場面や、即興で散楽のストーリーを話す場面に暗示されています。

ひょっとしたらそれは、「女だから」殺された母に対する敵討ち的な意味も帯びるのかもしれません。

一方、道長は、内裏の政治に積極的に関わり始めます。その真意は、明確には描かれません。

しかし、きっかけとなったのは「おまえが表の道をゆくために、兄を道具にせよ」という父の言葉です。

今後の展開を見ないと断定はできませんが、おそらく、まひろの母を殺した兄に復讐するため、道長は一転して一族の政治に介入し始めたのではないでしょうか。

ライバル

もうひとつの学びポイントは、ライバルです。

ききょうは、まひろが自らの「使命」を探し始めたタイミングで投入された新キャラクターですから、ライバルという位置づけだと思います。

タイトルになっているにも関わらず、登場場面は僅かでしたが、セリフひとつで、まひろと対照的なキャラであることが示されました。

訊かれてもいないのに自分の意見を言うききょうを見て、そういえばまひろはこれまで、相手に訊かれないと自分の意見を言わなかったなと気づかされます。

最初の動画で説明しましたが、まひろと詮子、道長と直秀といった、対照的なキャラの描き方が上手いですよね。


最後までお読みいただきありがとうございました。
今後も、こんな感じで学びポイントを取り上げていくつもりです。

背景画像:
From The New York Public Library https://digitalcollections.nypl.org/items/510d47e3-fe62-a3d9-e040-e00a18064a99

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