米国PhD受験環境の急激な変化

前回投稿で戦略を述べるにあたり、完璧なアプリケーションを出してくる中国人・インド人との熾烈な競争であることを忘れてはならないと再三強調させていただいた。

何故これが大事か?実は数字を見れば一目瞭然(table 26)である

このデータは米国のNational Science Foundation (NSF)が毎年公表しているデータで、過去10年に渡り、米国大学でPhDを取得した外国人の出身国Top10の推移を示したものである。顕著な部分のみ抜きだそう。

China: 4,101 (2009) ⇨ 6,182 (2018) 10年で+2,081人
India: 2,272 (2009) ⇨ 2,040 (2018) 2,000人超で推移
South Korea: 1,526 (2009) ⇨ 1,035 (2018) 22%減
Iran: 141 (2009)  ⇨ 935 (2018) 10年で一気に1000人規模へ
Canada: 516 (2009) ⇨ 424 (2018) 18%減
Japan: 256 (2009) ⇨ 117 (2018)  54%減

中国・インドからの留学生が圧倒的な存在感を示していること、中でも中国は断トツでこの10年で6000人超にまで数字を伸ばしていること、その影響で他国の数字が減少傾向にあるが、中でも日本の減少幅が著しいことが容易に見て取れるだろう。ちなみに、最新のデータ(table 26)では日本はTop 10から脱落した。(余談だがイラン人が数字を伸ばしていること点が面白い。これについては外交的な影響があったのではないかと推測している。)

このように実は過去10年でPhD受験環境は著しく変化し、競争が激化していることが顕著に数字に現れているのである。

なお、この競争環境の変化と外部奨学金なしでは米国PhD合格が難しいと一般的に言われていることとは深く関係していると私は考えている。XPLANEという団体が独自に行った調査によれば、日本からの奨学金なしで生活している日本人PhD生は1/3しかいないとのこと。実際、私スタンフォード等のトップスクールで現役日本人PhD学生に取材をした際も、日本からの奨学金を受け取っていない人にはほとんど出会ったことがない。一般に米国PhDは授業料免除かつ生活費(Stipend)が出ると言われているが、実際には多くの日本人PhD学生達はその恩恵に預かれていないのが現実だ。

孫正義財団の登場など、奨学金の数がかつてより少なくなったわけではなく、むしろ増えたという印象さえある中、このような厳しい現実に陥っていることは驚きでもある。しかしながら、この現実から目を逸らしても何もならない。現実を直視して真正面から取り組まなければならない。

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