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ぼやき牧師のブックレビュー

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ぼやき牧師が読んだおすすめの本の感想をご紹介します。 更新は不定期。 本のお好きな方はどうぞいらっしゃいませ。
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記事一覧

『国のために死ぬのはすばらしい?』ダニー・ネフセタイ、高文研、2016(第3刷2023年1…

 今から8年前に書かれた本だが、2023年11月に改めて増し刷りされたのは、10月のガザでのジェ…

『かたわらに、今、たたずんで』大野高志、オリエンス宗教研究所、2023

 この本を手に取ったとき、心が炭火のように燃えてささくれだっていたのだが、読み進めるうち…

『ガリラヤに生きたイエス いのちの尊厳と人権の回復』山口雅弘、ヨベル、2022

 まず著者はイエスの死に際して、「十字架」ではなく、「晒し柱(さらしばしら)」という言葉…

『マスキュリニティで読む21世紀アメリカ映画』國友万裕著、英宝社、2021

マスキュリニティ(男性性、男らしさ)がアメリカ映画の中でいかに描かれているのか。その変遷…

『八色ヨハネ先生』三宅威仁著、文芸社、2023

 同志社大学神学部教授(このレビューを書いている2024年2月現在)の三宅威仁さんによる小説…

『傷によって共に生きる』北口沙弥香著、沙弥香牧師と愉快な仲間たち、2023

 神奈川県にある日本基督教団愛川伝道所の牧師をしておられる北口沙弥香さんの、受按5周年記…

『ぼくはいかにしてキリスト教徒になったか』内村鑑三著、河野純治訳、光文社文庫、2015(原著1895)

 内村鑑三のキリスト教信仰の遍歴を、日記に基づいて語った自叙伝として著名な作品である『余は如何にして基督信徒となりし乎』。  これが非常に読みやすい現代語に翻訳されているので読んでみた。  内村鑑三は、もともと10代半ばまでは熱心な仏教や神道の信者であり、儒教的道徳の信奉者であった。そして、札幌農学校でクラークの強い影響を受けた先輩学生たちに説得されても、強硬に抵抗していた。  しかし、いざキリストに従うことへの誓約書に、強制的に署名させられてみると、一神教のあまりにシンプ

『なぜ「救い」を求めるのか』島薗進、NHK出版、2023

 「なぜ『救い』を求めるのか」というタイトルから、「人間はどうすれば救われるのか」という…

『10代から始めるキリスト教教理』大島重徳、いのちのことば社、2022

 少なくとも著者である大島重徳氏が自らの夫婦生活に大いに満足し、幸福感を覚えておられるこ…

『顔面バカ一代 アザをもつジャーナリスト』石井政之、論創社、2023

『顔面バカ一代 アザをもつジャーナリスト』石井政之、論創社、2023  顔に大きな赤アザ(単…

『「地獄」のウソ キリスト教のアツアツなテーマを徹底検証!』ケン・フォーセット訳…

 おもしろい!  この本を、地獄というものを信じている人全てに読ませたい。  リベラル・ク…

『わたしが「カルト」に? ゆがんだ支配はすぐそばに』齋藤篤・竹迫之著、川島堅二監…

 いずれもキリスト教会の牧師であり、カルト問題の第一人者である2名の著者、1名の監修者によ…

『何を信じて生きるのか』片柳弘史著、PHP研究所、2022

 この著者のことはもともとあまり好感を抱いていなかった。一度お会いしたことがあるが、ある…

最相葉月『証し 日本のキリスト者』KADOKAWA、2023

 日本のキリスト者の信仰の告白を135人分、著者がインタビューを再構成して綴った本。最終的には135人になっているが、そこに絞られる前に、著者は数千人のクリスチャンに会ってきたという。聞き書きではあるが、インタビューそのままを掲載しているというわけではなく、あくまで著者は著者という位置付けで、再構成したものらしい。  登場する人々の教派もさまざま、年齢もさまざま、社会的な立場、信仰理解もさまざまである。(やや年配の人びとに偏っている感も否定はできないが、そこは著者の年齢も関