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日向ぼこについて

こんにちは。ictmと申します。
私は、冬の季語である日向ぼこの気分が落ち着く感覚と
自分を俯瞰できる点が好きです。

今回は、角川学芸出版編『俳句歳時記第五版冬』
角川学芸出版、2018年
135頁以下135頁に載っている「日向ぼこ」という季語について
紹介いたします。

「日向で暖まること。風のない冬の昼間の、貴重な日差しを

喜ぶ気持ちのこもる季語。」

次に「日向ぼこ」という季語が
使われている俳句を紹介いたします。

「大いなる雑念とあり日向ぼこ」

須藤常央が作った句です。

今から句に対する私の推測を書きます。
全体として自らが抱える雑念にとらわれ悩む作者が、
日向ぼこをしている事にふと気がついた時の感覚を

描いているのではないかと思います。

作者が雑念という言葉に「大いなる」の単語を

組み合せている事から雑念が作者にとって大切なものだと

私は考えました。
もしかするとそのように思いたい願望かもしれません。
私は作者が、日向にいてふと悩みとは対照的な
心地良く温かで優しい感覚を得たのだと思います。
「大いなる雑念」と「日向ぼこ」とが、

並行して存在している

その瞬間を切り取れる作者の感性に驚きました。

最後に私が、「日向ぼこ」という季語を
使って作った句を紹介いたします。

「日向ぼこ折り目のついたドリルかな」
この句は、小さい時、自習をしようと漢字ドリルを開いたけれど
すぐに現実逃避したくなって日向ぼっこをしたことを

思い出して作ったものです。

俳句の元となる記憶と感情を大切にしたいと思います。