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昨年の今日は、音戸から引き揚げた荷物をおろしに行きました。その頃の井田さんは、背中にいたみがはしり、作業の間もときどきうずくまるようにしていました。全部の荷物をおろし終えると、玄関前にすわり、みんなで春の日差しを受けながら、再会をあらためて喜び、お茶をすすりながら穏やかな時間を味わいました。集まったひとたちで、その後、画集制作委員会が発足されるとは、当時思いもよりませんでした。

この日、散会してからも残った2人とお昼ご飯を食べることになり、井田さんおすすめの五泉のとりかんさんへ向かいました。行ってみたら、新型コロナウイルス感染防止のため、テイクアウトのみの営業(当時)で、帰りは車中おいしいにおいいっぱいのドライブとなりました。途中、菜の花畑を通り過ぎ、毎年咲くのだと井田さんが教えてくれました。これから新潟の絵をまた描きたいとも話していました。

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昨日、井田さんのお宅に画集刊行委員会のメンバーがお邪魔して、現状の確認や今後の相談をしました。帰り際、玄関前で、井田さんみたいに長身のつくしを見つけました。そして、あの菜の花畑は、同じように輝いていました。絵のなかで見ていた田んぼの風景も相変わらずです。画集関係の作業のなかで、井田さんに聞きたいな、と思う時、どうしようもなく不在を実感しますが、全国のみなさまから絵の手がかりをお寄せいただき、画集制作はゆるやかに前進しています。(井上美雪)

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