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東示。 純文学と詩が好きです。純文学と詩を書いている人を好きになりたいと思っています。…

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東示。 純文学と詩が好きです。純文学と詩を書いている人を好きになりたいと思っています。 ここでは色々な記録を残したいです。宜しくお願いします。

最近の記事

『River Billy Cityから』(I&Ⅱ)ー詩ー

Ⅰ. 大事なところを忘れてしまう 癖ではなく生まれつきではなく ぼくができあがるのがこわいから 大切なところを忘れてしまう 赤がとても似合うわね とても青がお似合いねと、 どちらかは酷く素敵ではないのに 鏡に映る残像を 決めたくはないと中心からずらし 意識的でもなく約束でもなく あわさりあうのがこわいから 不自由な身体をことりことりと動かしていく Ⅱ. 緊急ミュージックが鳴り響く 地上ではなく、この一行上に ルビふってんじゃねえぜ、ビビってんじゃねえぜ 空白と余白の白黒つけ

    • 0925『物価とは何か(渡辺努)』感想。

      *下記にも記してますが正直理解していない箇所も多いので、今後記事を修正することあります。 見え方。 まず、182Pに掲載されている上図のように僕みたいな人間がこの本を読んでいることが不景気というのが分かる。 気が付いた時にはもう遅いというのは世の常で、気付かなければ馬鹿で済むけど、気付いて何もしなかったら馬鹿で間抜けになってしまう。読まなければよかった。 ただ正直この本を読んで何が出来るかは難しい、というのは読み手の経済状況や仕事によって大きく変わると思うからだ。 感想

      • 0506『ドグラ・マグラ』序・年表作成

        年表※読んでいる人は分かるかもだけど、小説は登場人物の恣意により、また作者の意図により、「時間」が正しくない可能性もあるが、ある程度は機械的に抜き出し、恣意・意図がありそうなのは『』で囲った。けど一気に書いたのでちょくちょく修正するかも。 ※呉千世子に敬意を表し、父は****(一応ネタバレ防止、年表には記載)としてます。 天宝8載(749年) 呉青秀、玄宗皇帝の命により蜀に入る。 天宝14載(755年) 3月 呉青秀、玄宗皇帝から黛女を賜う。 11月 呉青秀、山中の画房

        • 0414『雪の下の蟹(古井由吉)』感想。

          この感想は下記youtubeで語った後に、『文学の淵を渡る』と『こんな日もある』を読んで、多少煮詰めた感じのものになります。note最初の『蒼茫』もラヂオで語った後に再度考えたものです。 感想もない 初めて古井由吉を読んだが全く良さが分からなかったので、今回はどうして分からないのかがメインとなると思う。なので古井由吉ファンがいたら閉じて欲しい。 ただ古井由吉はどうも大人物らしく、調べると色々な方がその奥深さなどを語っている。日本語の、作品の、その奥深さを語っているのだけど

        『River Billy Cityから』(I&Ⅱ)ー詩ー

          0331『ザ・ロイヤルファミリー(早見和真)』感想。

          秘書という依代 競馬は好きだけど、競馬小説が苦手だったりする。とかくギャンブル系の読み物は知らず知らず作者の色(欲)が出てきて、それは最初は面白いかもしれないけど、最終的には面倒になってしまうから。 だけどこの『ザ・ロイヤルファミリー』は秘書という依代に作者の色(欲)を抑えさせている。そして秘書(依代)の業として、静かに淡々と、全ての関係者を、その人達の邪魔をせず、その人達の人生を任せている(だから裏切らない)。それが良質のストーリーになっている。 継承という追体験 競

          0331『ザ・ロイヤルファミリー(早見和真)』感想。

          0304『蒼氓(石川達三)』感想。

          1930年と2023年 円高による海外での労働を推奨するような気配がある令和5年に、昭和5年を古い時代の話と一蹴できないし、出てくる登場人物の人間性もまた、今の時代と変わらない。ゆえに個人の話としてではなく、集団としての力強さとして読ませる基盤ができているように思う。 疑似家族と疑似日本人の集団 ただその集団は少し奇妙である。佐藤一家は移民のために計画された疑似家族だし、[ら・ぷらた丸]に乗る日本人集団は、その神戸の港、そしてサントスの河港での極まった送別でのシーンをみ

          0304『蒼氓(石川達三)』感想。