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#007「バチェラー5から学ぶ"微差力"」評価は絶対→相対→微差へ

皆さんこんにちは。井戸です。
バチェラー5がファイナルを迎えた。シリーズすべて視聴してきたが、過去最高クラスに良い結末だった。今日はバチェラーから学ぶ「選ばれる決め手」と、就活の面接にも関わる「絶対→相対→微差」という評価の変遷について語る。
※バチェラー5のネタバレを含みます

1.バチェラーシーズン

1)2人の候補者

ファイナルに選ばれたのは飲食店経営の大内悠里さんと、元建設会社広報の西山真央さん。セカンドシーズンの倉田茉美さんと小口那奈子さんばりにデッドヒートで、結末がまったく読めないくらい可能性が均衡していた2名だった。

左:大内悠里さん 右:西山真央さん

大内さんの魅力は①天真爛漫で男女ともに好かれる人懐っこい明るさ、②抜群の共感力や洞察力から醸し出される、人との距離感とコミュ力、③元新宿歌舞伎町キャバ嬢No.1の実績と涙もろい人間味との良いギャップ、の3つが思いつく。
一方の西山さんの魅力は①誰とでも共通のノリをつくって特別感を感じさせる抜群のコミュ力、②自他を俯瞰視でき、感情的にならずその場に応じた適切な振る舞いができる状況対応力、③清楚で清潔感ある見た目から放たれる低音ボイスと切れ味鋭いツッコミという良いギャップ、という3つかな。
お互い見た目やノリ、性格は申し分なく良い。どちらにも恋人や結婚相手として選びたくなる魅力も、パートナーとして様々な困難を乗り越えていく上での安心感も備わっている。甲乙付けがたい

2)無償の愛という”微差”が決め手

結果、バチェラーの長谷川さんが選んだのは、大内悠里さんだった。大内さんは終盤にかけて「好き」を口頭で伝えまくっていた。一方の西山さんも、スロースターターではあったが、最終的には手紙で好意を伝え、その深い気持ちがバチェラーにも伝わっていた。伝え方と回数に差はあったものの、雌雄を決する”決め手”ではないと感じた。
僕が考える最終的な決め手は、大内さんから最後に伝えられた

「ほんとうに幸せになってほしいと思ってる」

という言葉だと考える。「幸せにしてほしい」でも、「一緒に幸せになろう!」でもない。ただ純粋に相手に幸せになってほしいと願う、見返りを求めない無償の愛ととれる。その言葉の後に「それは(選ばれるのが)うちだったら良いなと思ってる」とは付け足しているが、裏では「選ばれなかったとしても、この気持ちに偽りはない」という意思表明になる。
バチェラー長谷川の幸せだけを一心で願うその姿は、自分の命と引換えに麦わらの一味を政府の攻撃から守った、ニコ・ロビンの自己犠牲の姿が重なった。

出典:尾田栄一郎「ワンピース」363話(集英社)

この見返りを求めずに相手のためを思う気持ちこそが勝負の分かれ道だった。見た目、性格、ノリの良さ、居心地、将来性、バチェラーの好き度、どれをとっても甲乙付け難かったが、唯一”無償の愛の有無”という「微差」こそが、長谷川惠一の心を動かしたのだと思う。

微差の図解と拡大図

あっぱれ大内悠里。元々ずっと推しメンだったので、僕は心より2人を祝福したい。

2.面接もバチェラー同様

さて、ここで現実世界に視点を移したい。就活や転職活動で「面接」は欠かせない。

面接とは求職者と企業の採用担当者が、質疑応答や意思確認、求職者の性格や職務に対する意欲や適性、能力の確認を行うために実施されるもの。企業の採用担当者、求職者共に互いの理解を深めるための場。

kaonavi人事用語集

一次面接、二次面接、最終面接といったように、3~4段階を経て求職者の数を絞り込んでいき、最終的に募集人数分の採用を行うことを目的として行われる。この流れと評価基準は、そのままバチェラーにも適用できる。

1)一次面接=絶対評価

面接における一次面接はまだ入り口なので、候補者の数も多い。学歴/体育会所属/海外留学経験/TOEICの点数などの基礎スペックで足切りすることも多い。面接でも、いちいち他の候補者と比べてじっくり吟味するというよりは、見た目の清潔感に対する違和感や、なんとなく社風と合わない気がするなど直感的な感覚で評価点をつけていく段階だ。
バチェラー5でも、5話で落ちた栃木さん月田さんくらいまでは「そこまで深く1対1で話したわけじゃないから判断基準は明確じゃないけど、見た目の好みや話のノリとかでなんとなく」落とした印象だった。これが「絶対評価」である。

一次面接は絶対評価で決まる

2)二次評価=相対評価

候補者の数が絞られてくると、ここからは絶対評価ではなく相対評価となってくる。「昨日面接したAさんより、今日面接したBさんの方が志望度が高いからAさんを上げておこう」であったり「Cさんの本質はまだ見えてこないけど、何か光るポテンシャルを感じる。それと比べてDさんからはこれ以上のポテンシャルは感じないから、Dさんは落とそう」など、必ず候補者同士を相対化し、合否を決定していくフェーズである。
バチェラー5では、6話で落ちた尾崎さんと鈴木さんが相対評価された。「尾崎さんのことも好きだけど天井は見えている。それより西山さんからの好きがまだ聞けてないから、彼女の気持ちを引き出したい」あるいは「鈴木さん、俺のことあんまり好きじゃないの伝わってくるな…。その点竹下さんや大内さんからは大好きオーラが伝わってくるから、落とすなら鈴木さんだな」などの相対評価である。(あくまで長谷川さんの心の内を想像したに過ぎないが…)

二次面接は相対評価

3)最終面接=微差

最終面接まで残る候補者は、正直誰に内定を出してもいいレベルの人達だ。すでに基礎能力やコミュニケーション力、志望度、スキルの再現性などの審査は一次と二次の面接で済んでいるからである。ではなにが最終面接の勝敗を分かつのか。これもバチェラー同様”微差”である。
例えば志望度の伝え方かもしれない。「御社の製品やサービスに誇りを持っているので、誠心誠意仕事を頑張ることができます!御社が好きです!」と伝えるのか、「御社とA社で迷っています。ただ、御社の方がA社に比べて〇〇という点が違っていて、そこが私の△△という人生の目的を叶える上で必要不可欠な部分なので、御社で一生頑張れます!」と伝えるか。どちらが面接官に響くかと言えば、おそらく後者だろう。一方的に気持ちを伝えられるよりも、なぜ自社でなければならないのか自社に入ることでどんなメリットをもたらせるのか。より詳細に落とし込んで言語化する微差力を持つ候補者が勝つ。
バチェラー5でも、前述の通り微差を制したのは大内さんだ。西山さんは一方的に好意を伝えるに留まったが、大内さんはバチェラー幸せを願った。視点が一段高いのだ。

最終面接=微差

人生は微差の積み重ね微差の連続だ。微差を積み重ね、それを継続できた者のみに、最終的に大差という戦利品が与えられる。人の100倍成果を出している人は、100倍すごいことをしているわけではなく、1回の微差を100回積み重ねる継続力があるだけなのかもしれない。
今回はバチェラー5の大内さんから、そんな人生哲学を学んだ気がした。就活生や転職活動中の方も、ぜひバチェラーから「選ばれる人になるためのノウハウ」を学ぶとともに、各面接のフェーズごとに求められるものを把握し、準備をして乗り越えていってほしい。
次回はバチェロレッテ3かな?楽しみ。
それではまた!

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