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移住と空き家

 移住したいという思いは人により様々ですが、生活の基盤を作らないといけません。ですから移住後の仕事の事は皆さんも、しっかりと考えて移住先を探していると思います。それに追随し住むところも考えているはずです。

 首都圏や大きい地方都市に移住するのであれば、物件を探すのは比較的容易です。地価も高いのでいきなり家を買う選択肢をとらずに賃貸物件を探すと思います。ですが、それ以外の地域になってくると空き家も増えてきていますし、地価も下がり信じられないくらい安く家が売ってたりします。賃貸物件が少ない地域だと家賃も高かったりするので、買ったほうが安いと感じてしまい空き家を探し始めるかもしれません。

 Uターン移住のように所縁があって知っている土地であれば、それでも問題ないと思います。土地の事を知らなくても理想的な空き家があって、この家に住みたいから移住するって方も問題ないと思います。

 ですが、それ以外の方は移住して定住する決意があったとしても、地域の知識が少ないのであれば、まずは賃貸で生活をすることをお勧めします。以前、書いた記事にも多少書きましたが、移住支援をしている自治体であれば家賃補助なんかもあるので、ゆっくりと気に入った空き家を探すのが良いと思います。


二段階移住のすすめ

 ひとまず、自分の移住したいという一番の理由を軸に考えてみてください。地域の事をあまり知らずに、安いという理由で空き家を購入し移住するのは枷をつけてしまうようなものです。

 例えば春先に内見して問題なく購入したつもりでも、秋になったらカメムシだったり蜂が大量にでてきたり、雪が降った時に除雪をしなければいけない場所が多かったり、近隣との付き合いが大変だったりと一回の判断では測れない部分もあります。不思議なもので住んだら慣れて気にならなくなると思いますが、事前にある程度知っておいた方が良いと思います。以前、空き家を購入し移住してくれたご夫婦がいたのですが、カメムシや虫の多さに耐えられず、別な場所に引っ越していったと聞きました。

 ですから定住を考えているのであれば、いきなり空き家を探して購入する前に、ひとまず賃貸物件で住んでみて地域の特性を知ってからで遅くないと思います。いわゆる二段階移住と呼ばれるもので、生活してみて違和感を感じたとしても、違う土地に移住する事が容易です。
 
「海が見える場所で自給自足がしたい!」だったり「山奥でひっそりと暮らしたい」などの、定年後の趣味を増やしたり、のんびりと過ごすセカンドライフであれば、住居とロケーションは大事なので最初から購入を念頭に空き家を探すのは有りだと思います。そうだとしても、理想だけを見るだけではなく、現実的に起こりそうなマイナス面をしっかりと捉えて、考えてみてはいかがでしょう。


あとがき

 二段階移住をお勧めするのは実体験でもあります。糸魚川を拠点にすると決めた際に定住するつもりだったので、借りるより買った方が安いだろうと空き家を購入するつもりでした。どうせ車で移動するからと、家の価格と状態で探していて立地は二の次でした。そして値段も150万円と安く、景色も良い物件を見つけ新しい生活にワクワクしていました。

 ですが相談に乗ってくれていた役場の方から、まずは賃貸で利便性の高い街中に住んだほうが良いとアドバイスをもらい、どうするか迷っていた所、その購入しようとしていた物件が商談中に入ってしまった為、アドバイス通り街中の賃貸物件に住み始めました。

 気に入った物件でしたので少し残念に思っていましたが、今では直ぐに空き家を購入しなくて良かったと感じています。街中の賃貸物件に住むことによりスムーズに移住する事ができましたし、あの気に入った物件も地域を知った今から考えると購入しなくて良かったと感じます。
 街中で一年間賃貸物件で生活しましたが、感じたメリットは都心から来たとしても、あまり違和感なく生活できる事です。首都圏の利便性にはかないませんが、日常生活に困る事もなく、積雪も少ない上に消雪パイプがはいっているので雪で困る事はありませんでしたし、自然が近くはない街中なのでカメムシ等の虫も全くいませんでした。そして、地方移住で気になるご近所付き合いも、首都圏と同じような距離感だったのも大きなポイントです。

 ですから首都圏から地方に移住するのであれば、いきなり自然の中に飛び込まず、まずは利便性の高い街中の賃貸物件で生活し、移住したことによる変化を少なくしたほうがスムーズに地域に入っていけると思います。生活する中で行動範囲を広げていって、自分の理想的な地域で空き家を探すのが一番だと感じています。

 一年間街中で生活し、糸魚川市内の地域特性を把握したうえで、今は街から離れた山あいの築70年の9LDKの一軒家で生活しています。今現在の高気密な住宅に比べたら暖房は温まりにくいですが、夏場は冷房がいらないくらい涼しい風がはいってくるので快適です。住んでみて困った事は想像以上に虫(カメムシ)が家の中に入ってくる事ですかね(笑
 木造の伝統工法なので気密性がなく、どこかの隙間から虫であったり、蛇だったりが入ってきます。ムカデの話は田舎あるあるで良く聞いていたのですが、まだ侵入されていません。ですが、周りに住んでいる人も少なく静かな環境なので、周囲に気にして生活する必要もなく、居住スペースも広いのもあって生活の質は向上し移住して良かったなぁと感じています。

移住のあれこれVol.4「自治会費ってなんぞ!?」っていう記事で上記とほぼ同じような事を書きましたが、2段階移住は実際スムーズに移住するのにお勧めです。移住トラブルで多い自治会費の事も下の記事に書きましたので、良かったら読んでみてください!

今後は空き家を見る時のポイントや探す時のポイントなどを書いていこうと思っていますので、次回もお楽しみに。