まばゆい夜と私たち<短編小説>
月の光。私は窓辺に座り、彼の声を聴く。
「今日は白鳥座の話をします…」
スマートフォンにつないだイヤフォンから聴こえてくる星たちの物語を聞き、お酒を飲む。そして、自分の意志と関係なく、夢に溶ける瞬間を待つ。
「朝ごはん、できてるよ」
ワタルの声で目を開ける。
「今日は鮭を焼いたよ」と言いながら、ワタルは私の隣に梛木の木の植木鉢を置いた。
梛木の木は日の光に当てないといけないんだ。面倒だけど、日の光と水をちゃんと与えれば、すくすく育つ。それってすごいことだと思わない? ワタル