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臨床美術って一体なに? わかりやすく3つのポイントで説明します!

皆さん、ごきげんよう!
臨床美術士のイガ=アイです。
今日はいかがお過ごしですか?

臨床美術って一体なに?

いきなり『臨床美術』って言われても、一体なんのことだかわかりませんよね。
このページでは、臨床美術って一体なに? という疑問にお答えします。

ズバリ! 臨床美術とは……

  1. 五感を刺激して表現する

  2. 右脳を使って自由に描く

  3. ほめニュケーション

の3つのポイントで説明できます!

……とは言っても、この三点を並べただけでは「へぇ~」という感想しか頂けないと思うので、この三点は一体どういうことなのか? 詳しく説明していきたいと思います。

1.五感を刺激して表現する

ここでいう『五感』は人間の五感そのものです。

  • 視覚・・・色を感じる

  • 触覚・・・形を感じる

  • 嗅覚・・・においを感じる

  • 味覚・・・味を感じる

  • 聴覚・・・音を感じる

臨床美術のセッションでは、実際にモチーフを食べたりすることも。
そうして五感を直接刺激することで表現のスイッチをオンにします。

また、これら五感以外にも、自分のなかにある記憶や感情を思い出しながら表現の世界に飛び込んだりもします。

よく見て描きましょう、はよく言われることかもしれませんが、実際ににおいを嗅いだり手でしっかり触ったり、食べてみたりと目で見るだけじゃない刺激が新しい表現を生み出します。

2.右脳を使って自由に描く

右脳で描くことを説明する前に、まずは左脳で絵を描くことについて解説します。

私たちが一般的に「お花の絵を描きましょう」「太陽を描きましょう」というと、💐や☀をそのまま描くことが多いのではないでしょうか。
これは【デジタル画(シンボル画)】と言われており、ほとんどが状況を説明する絵を描いています。

花と言えばチューリップやバラ、太陽といえば日の丸、のようにモチーフをシンボルとして確認し、理解してアウトプットするのが左脳で描いた絵になります。

反対に、右脳で絵を描く場合、直感とひらめきで描いていきます。
理屈で描き進めていく左脳の絵とは違い、その瞬間感じた色、形、線、面を思うまま自由に表現することで生まれた絵は【アナログ画】と呼ばれています。

一番わかりやすい例は、『感情』の表現です。
たとえば今日あった嬉しいこと、悲しいことを思い浮かべてみてください。
それは何色でしたか?
その色は他の誰かと同じ色でしょうか?

たとえ、その嬉しいことを同じ場所、同じ環境で体験した数人であっても、全く同じ色や形で表現するのは難しいのではないでしょうか?

感じたままに自由に描く。
それが右脳を使って自由に描くということです。

※この段落についてはかなり複雑な解説を簡潔にまとめていますので、もっと詳しく知りたい方はベティ・エドワーズ著『脳の右側で描け』を参考にしてみてください。

3.ほめニュケーション

臨床美術のセッションでは、作品を完成させたあと、必ずと言っていいほどみんなで作品の鑑賞会を開きます。

そこで行われるのが【ほめニュケーション】

私たち臨床美術士は、作品を上手い下手で語りません。
作品を受け入れ、作品から感じたことを認め合い、ほめ合います。

描いてくださった方それぞれのコンディションや技術により、満足に表現できなかったりすることがあるかもしれません。
そんなとき、マイナスな気持ちで鑑賞会に参加することもあるかもしれません。
そこで添削なんてされようものなら……もう絵なんて描きたくなくなりますよね?

もちろん、そうならないようセッション中にも気を配りますが、どうしても上手くいかないことだってあります。
でも臨床美術士は、一緒にできなかったことを嘆くのではありません。
上手くいかなかったことも受け止め、作品に込められたパワーや表現したかったことを作品から受信し、いいところを見つけてマイナスの気持ちをプラスに変えることが、臨床美術の一番いいところです。

ここが、【「上手く描く」ための絵画教室】などとは違う、他にはない特徴です。

おわりに

以上、臨床美術を三つのポイントで解説してみました。
いかがでしたでしょうか?

何より、臨床美術っておもしろいんだ!と実際に体験いただくのが一番理解への近道なので、是非機会がありましたらセッションを体験してみてくださいね。

ここまでお読みくださりありがとうございました。
皆さんも臨床美術、はじめてみませんか?


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