【売れるマーケ】宣伝すると、“評判”が悪くなる。
情報誌に載っていたお店に行ってみると、
想像と違っていて、ガッカリした。
そんなことはよくありますよね。
情報誌など、
信用できないことはわかっているはずなのに。
しかし、経営者の立場で考えると、
取材して欲しい、掲載されたい、と思ってしまいます。
それは、当然の心理です。
都会なら、小さな飲食店でも、1回掲載されると、
1千万円の売り上げ増になる、とも言われていますから。
集客に苦労しているお店なら、夢のような話です。
しかし、目先の利益に釣られると、
とんでもない失敗をしてしまいます。
飲食店の方なら、よくご存知の「ミシュラン」。
星を取りたい、と憧れている方もいることでしょう。
ミシュランに掲載されることは、
光栄なことであり、誇りでもあります。
どんどんお客さまが押し寄せ、
嬉しい悲鳴を上げることになります。
店主の望んでいた光景が、眼の前に現れるのです。
これで、商売は順風満帆。
……とはいかないのが、ミシュランの恐ろしさなのです。
たくさんの人が押し寄せると、
その騒々しさを常連さんが嫌い、
去って行くことになります。
だからといって、
新規のお客さまが残ってくれるのかというと、
そんなことはまずあり得ません。
情報誌を見て来るような人は、興味本位なので、
一度“体験”すれば、それで満足してしまい、
次に来ることはありません。
つまり、常連さんが去った後、時間の経過とともに、
新規客の姿も消えていくのです。
実際に、これによって閉店してしまったお店もあります。
本当に常連さんを大切にしているお店は、
ミシュランに選ばれても、掲載を辞退しています。
一番大切なお客さまに、迷惑が掛かるからです。
また、常連さんの多いお店は、
あまりマスコミには登場しません。
元々、宣伝で集客したわけではなく、
口コミによって“評判”が広がり、
心から満足したお客さまが、リピーター・ファンという、
常連さんになっていったのです。
“評判”が良くなるような努力を続けていたからこそ、
人から人へ、その良さが伝わったのだと言えます。
マスコミに登場することが、
ダメだと言っているのではありません。
マスコミをキッカケに、
繁盛し続けているお店もあります。
その前に、
“大切なことを忘れていませんか?”と、
問いたいのです。
宣伝して集まったお客さまを
ガッカリさせるようなお店では、
宣伝が無駄になるばかりでなく、
悪い評判さえ立ってしまいます。
そうなると、先は見えています。
大切なのは、宣伝することではなく、
評判が良くなるような努力をすることです。
「宣伝」と「評判」は、似て非なるものです。
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