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2016年1月25日

ボーカルのしゅんすけと出会ったのは2007年の夏だったと思う。僕が某レコード会社に入社した年で、彼は学生のバンドマン。札幌のライブハウスで、いつもスカスカのフロアを見下ろしてうたってた。

表情を窺い知れないほど伸び切った寝癖頭の少年が、倶知安町という田舎町から札幌に出て間もない時代。透明でどこか懐かしさを宿した声が、他の出演者と一線を画してたのは今でもよく覚えてる。

実際接してみると偏屈なやつで、酒を飲んで音楽の話でもしようもんなら、お互い同じ反論の繰り返しのまま朝を迎えて、あの当時の気持ちとしては、素晴らしい声を持ってるから気になるけど、こいつとわかり合える日は永遠にこないだろうなって思ってた。

実際、数年の間連絡も取らない時期があって、僕はmondaysickというバンドをやりながらプロデュースの仕事を幾つか抱えてたし、しゅんすけもバンドを解散してソロになったり、共通項はどんどん減っていった。

僕は30代半ば、しゅんすけは20代半ばに差しかかろうかという頃、あるきっかけがあってメールをした。その時の返信が「おひさしぶりです!」じゃなくて「おつかれさまです!」だったのが嬉しかったな。

けど、その時もまだ一緒にバンドやるだなんて夢にも思わなかったよ。

メジャー移籍の話が進んで、mondaysickは順風満帆の航海を続けるはずだったから。

なのに、1年後ame full orchestraを結成してるんだから、人生ってのは本当になにが起こるかわからない。

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