「左右差」は悪か?〜コンディショニングとは〜

野球少年のリハビリをしていたときのこと。

今日調子どう?と聞くと

絶好調です!

と良い返事が帰ってくる。

(じゃあリハビリとして終わりでいいか)という話は置いといて。

いろいろと評価をするとやはり弱点というのは見えてくる。

どういうことか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スポーツ分野にいると筋トレ系の専門家としてS&C(ストレングスアンドコンディショニング)がいる。

私はS&Cの資格は持ってないし、講習会もでたことがないので、あくまで自分の今までの臨床経験、スポーツチームでの活動経験、自分自身のランニング経験から出てきた感想で書いている。

私は理学療法の専門家なので、S&Cの専門家でない。

さて、主題の「左右差」であるが、「左右差」は悪いことであろうか?

先に言ってしまうとと「『左右差』は競技特性はもとより、人間の構造上生まれる。その上で客観的、主観的筋出力の左右差は可能な限り修正したほうが良い。」と言うのが今の結論だ。

客観的筋出力は例えば機械で筋力を測るもの(Viodexなど)、ウエイト機器で、数値が測れるもの。

主観的筋出力は例えばウエイトトレーニングをやっていてそのままであるが、本人が左右差を感じるもの。

私はランニングをするのだが、直近の経験でいうと、スクワットをしていて、重量が重くなるほど右足の安定性がないことが気になっていた。

左右差は潜在的に存在していて、特に何も気にしないでいると左右差が拡大し、怪我等につながるのではないかと思っている。

結論からいうとこれらの修正を行うことが「コンディショニング」ではないかと思っている。

左右差の話をすると、たまに「内臓の位置が左右対称出ないから左右差はうまれる」といった説明を目にするが、私は同意しない。

動物の体はよくできてきて多分内蔵の左右体重比は矢状面で分けた時1:1になるよううまくできているのではないかと思っている。これはただの勘だ。

ではまずなぜ左右差が生まれやすいかというとこを考えてみたい。

まずそもそも明らかに左右非対称な動作。スイングなどが関係するもの。利き腕のほうでメインに行うもの。ゴルフ、野球(バッティング、投球)、テニス、、、Etc。

左右非対称な動きを繰り返し行っていたら左右差が拡大するのは考えるのに難しくない。

なので例えばゴルフなどでは障害予防にトップ選手たちは逆のスイングもやっているらしい。

では例えば一見動きに左右差がないものはどうだろう。歩き、走り。

これを読まれているのは理学療法士だと思われるので言わずもがなとは思われるが、歩きも走りも左右が全くきれいに対象ということはない。

走るにしても歩くにしても、機能としての身体の使い方は左右差があり、蹴り側がある。

これらも左右で一定の特徴があり、先程の「内臓の左右差があるから、、、」という話と繋がりそうだが、私の中ではピンときていない。

この歩行などの左右差はなかなか意識しづらくこれらの放置が様々な障害につながると考えている。

人間の動作はほぼ左右差というものが存在してしまうが、定期的になくすよう努力しておいたほうが良いだろう。

それの具体的な案が「筋トレ」となる。

スクワットやレッグプレスのマシンでも良いが、できるだけその関節に対して重い負荷をかけたほうがいいと考えている。

例えば私自身ではスクワットをおよそ自体重の1.25倍くらいの重さ、(70kgなので90kg前後)で行う。

スクワット自体もハーフしか行わないが、そこで重要視しているのは左右に荷重している感触だ。

自分は右の膝に腸脛靭帯炎のような症状を抱えていた。

今回のここでは具体的なメカニズムは述べないが、腸脛靭帯炎の解消にスクワットのやり方が重要ではないかと考えて実施した。

やはり上げる動作のときに左右差を感じ、右ハムがうまく出力できていないのでその点の修正を主に狙って行った。

また別の患者でも10kg程度の重りを使いながら鏡をみてスクワットなどしてみたら、本人は左右に代償が出ていることに全く気づけていなかった。

さてはじめの野球少年に話を戻す。

投球も規定回数行えており、球速、他、問題はない。

本人は調子がいいと話す。

ただ「筋トレ」の負荷をかけると左右差は存在する。

この彼の場合選択した筋トレは「逆立ち(壁あり)」だ。

一見普通に本人は普通に逆立ちできているように行えているが、肘が曲がったり、代償動作などがでている。

先程も言ったように関節に負荷がかかっていればいいので、「筋トレ」はいつもおもりを担いでやる必要は必ずしもない。

むしろ自主トレなども考慮すると道具はないほうが良いとも言える。

いかがだったろうか。

まとめたい。

左右差を放置していくと「自分は左右同じように出力しているつもりでも、実際の左右差がある」状態が拡大していくことが予想される。

身体イメージのギャップができる。大きくなる。と言ったところだろうか。

これらの修正を行うのに「筋トレ」はかなり重要と考えられる。

左右差を常々修正していくことが「日々のコンディショニング」と言えるのではないだろうか。

最初に言った通り、S&Cではないので「コンディショニング」の全容を私は承知していないが、その中でも「左右差」を日常から解消しておくことは障害の予防につながると考えられる。

こういう理由もあり一般的にS&Cというと「筋トレの専門家」というイメージがあるのも少し納得できる。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?