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どう考えても仕事を続ける以外ない

人生100年時代というけれど、本当に自分が100歳まで生きるかどうかは、生きてみないと分からない。現実として今、日本で100歳以上の人が7万人近くいらっしゃる訳ですが、65歳以上の方は3500万人くらいな訳で、100歳というのはやっぱり並大抵のことではないのだろうなと思います。

私は今50代ですが、50年後の医療技術というものがどういうものになっているのか想像もつきません。
自分のIPS細胞で臓器を作って交換、なんてことが出来るようになっていないとも限らない、いや、多分出来ていると思う。「記憶がリセットされてしまう」という問題があるが故に脳だけは難しいと思うけれど、これだって、脳の記憶内容をデジタル化してメモリに保存しておいて復元……おっと静電気でメモリ消しちゃったよやべーよ、とか、そんな時代に、いや、そこまでは無理か。

でも実際、今から50年前というと1969年ということになるけれど、その頃には考えられなかった医療技術が今はあります。

例えば、セラミックを使った人工関節で膝の曲がらなかった老人が杖なしで歩けるようになった(私の祖母。92歳まで生きた)。
生まれつき内耳がなくて聴覚の無かった子供の両耳に人工内耳を埋め込んで、難聴ではあるけれど音の存在を知って会話が出来るようになったと思ったら言うことが「ママあっち行って」(今3歳、同級生のお子さん)。
ガンなんて絶対治らない病気だったのに、今、ガンの5年生存率って50%を超えていて、その数字は相当難しいガンの数字を含んでの話であって、現実には90%以上の5年生存率というケースもあります(実母が20年前に子宮体ガンの手術を受けて、今、全然元気)。

私たちはもう既に、50年前には考えられなかった「未来」に来てしまっている訳です。

こうなってくると当然、昔や今の寿命を基準とした年金制度なんて、50年後には非常に難しいことになる、と、おそらく日本人の誰もが思っている。

今、80歳くらいの人で厚生年金に入っていたサラリーマンは、年金で充分暮らせているけれど、50年といわず20年後でさえ、こういうのは難しくなっていると思います。

で、金融庁が「人生100年時代は自助で」とか言ってますけど、言うは易し行うは超ハード。今、というよりこれから10年以上のスパンで世界経済が悪化していくことは容易に想像が付きます。
米中貿易戦争とか。
ブレグジットとか。
通貨暴落中の国とか。
日本円に「海外の資金が逃げ込んでいる」有様のさなかに何を考えてか「外貨建て債券などの安全な運用」とか言い出す人が現れたり(というか結構よく聞く)、じゃあ日本円でも買っとけよ、と言ってやりたい。

あるいは積み立てNISAで年40万まで20年間非課税でお得ですよとか、あのね投資って難しいの。私、某証券会社の「安全な外貨債権を中心とする投資信託」っていうの10年くらい前に買ったことあるけど、買ったときに1ドル115円だったのがあっという間に1ドル105円に突入して穴あけちゃって、3ヶ月で手放した、でもその段階で切ったのは結果的に正解だった。その投信、10年前には基準価格11000円くらいだったのが、今、6000円くらいになってる。「安全です」といわれていた商品がそうなんです。確かに、もっと下げている投信もあるのは事実です。それに、投信の中には儲かっている商品も確かにある。でも、それは「今になって分かった話」。今、自分の買った投信が「上がるという保証はない」「下がらないという保証はない」、それは投信購入の時にちゃんと説明を受けていて、それに納得した人でなければ投信は買えない。じゃあ実際どうなの?というと、投信を買った人の半分くらいは損をしているという説もある。そりゃ買う人がいればどこかに売る人がいて、どっちかが勝ってどっちかが負けるのはある意味当たり前なんですが。それが理屈として理解できても、体感として理解できないまま投信を買うのはお勧めできないです。私が事実として体験したこととして言えるのは、「安全です」と言われる商品であっても「勝てるとは限らない」ということです。
ただ、金融関係者の方々が「間違ったことばかり言っている」とは思いません。「分散投資」を推奨するのはリスク分散の観点から理にかなっています。VTとかそういう感じですが、世界の様々なジャンルに分散投資しても、世界経済が落ちたときには(今までのところ一時的にではありますが)やっぱり落ちています。
https://www.vanguardjapan.co.jp/retail/investment-products/funds/detailview/etf/3141/equity/overview/us

FX?私、一晩で2万円蕩かしました。あのときは錯乱して、精神科にタクシーで連れて行かれて鎮静剤を打たれました。

ビットコイン?1BTC110万円くらいの時に買って暴落して1週間で2万円が消えました。というか、1週間で慌てて引き上げた。でも口座に端数がちょこっと残っています。今、3600円くらい。落ちたときには残高日本円換算1000円代まで落ちてまして、引出手数料でほとんどなくなっちゃうので手を付けずにいたというだけなんですけど。私が撤退してからも暴落は続き、一時は1BTC40万円を割り込んでいました。「もしその時に1BTC買っておけば今1BTC85万」倍増じゃん、という計算は出来ますが、その底値で「素人は買えない」。私は本当に素人なんです。

そうか、じゃあやっぱり実物資産だな、とか言って、例えば不動産はどうか?って、そんなの一般民間人の手元に、不動産をホイホイ買えるお金などあるはずもなく、でも会社員とか公務員だと信用があるから銀行がお金貸してくれたりするんですけれど、人口減少の局面で不動産が余剰になってきていて、これからますます余りまくり、アパートもマンションも空室だらけというのに、何をしろというのでしょうか?投資目的でなく自分が住むにしても、ちょっと考えた方がいい。よく「家賃を35年払い続けても何も残らない」とか聞くけど、フラット35で1.6%・元金4000万+利息2240万円を払い終えて手元に残るのは「劣化資産」。マンションなら大規模修繕で、往々にして修繕金の積立額が不足していて100万単位の「一時金」を請求されたりということがあり得ます。最新のタワマンなら修繕積立金も毎月充分払っているから大丈夫、なのでしょうか?正直、タワマンみたいな超高額物件なんて夢にも考えたことないんで、そちらの方の世界はさっぱり分かりません。でも物価が上がれば当然修繕積立金も上げざるを得ないだろうし、一つだけ、素人にもはっきり分かることは「買っておしまい、住居費かからない」ではなくて、「管理費や修繕積立金がかかる」ということは言えます。タワマンのことはよく分からないけれど、うちの近所のマンションでも、普通に2万円とか掛かるみたいです。あと、普通のマンションにせよタワマンにせよ、鉄筋コンクリート建築って意外に維持に手が掛かるということは知っておいたほうがいい。神奈川県の教育委員会は、鉄筋コンクリート造りの高等学校校舎(実は全部の高校がそうなんですが)が、築40年くらいで「リフレッシュ」工事として、マンションの大規模修繕のような工事をやることになっています。それで耐用年数を延ばそう、と。鉄筋コンクリート建築って、メンテナンス(特に防水)をしないと、どうしても雨の影響で劣化します。酸性雨とかでなくても、そもそも雨は弱酸性。なぜかというと、大気中を通過する最中に二酸化炭素が溶け込むから。そして、地震や地盤沈下などの影響で、どうしても鉄筋コンクリート造り建造物にも「ヒビが入る」と思っておいた方がいい。コンクリートって確かに強くて丈夫な素材だけれど、コンクリートの性質に「圧縮ストレスには強いけれど、引っ張りストレスには弱い」ということがある。つまり曲げたときに、円周の内側は圧縮ストレスで耐えるけど、円周の外側は引き延ばされて引っ張りストレスが加わってヒビが入りやすい。え?重い貨物列車の走る鉄道の枕木にも使われているのになんで?と思うかも知れないけれど、それは違うんです。枕木用のコンクリートはプレストレストといって、既に圧縮された状態で完成、設置するのです。だから引っ張りストレスが加わる部分でも「押しつぶされていた部分が元に戻るだけ」なので耐えられる。で、鉄筋コンクリート造りのマンション。やっぱりどうしても、微妙にヒビが入ることは避けがたい。そこから弱酸性の雨が、ごくごく僅かずつ侵入します。ただ、最初は大丈夫なんです、雨がしみこんでも。コンクリートが強アルカリ性なんで、雨を中和して鉄筋鉄骨を守ってくれる。しかしコンクリートのアルカリが永遠に保たれるのかというと、そんなことはない。弱酸性の雨で少しずつ中和して、鉄を守る性能が劣化していく。長期的に見ると、いずれは弱酸性の水が鉄筋鉄骨に届いてしまうということになる。そうなる前に早め早めに丁寧なメンテナンスしないと大変なことになってしまう。50年くらい手を付けないでいると本当にそうなる。40年で大規模修繕を行う神奈川県教育委員会の方針は正しいのです。50年といわず、表面の近くにある鉄筋は15年くらいでさび始め、「爆裂」といって、錆びて膨らんだ鉄がコンクリートを押し出して、コンクリートが剥がれるという現象が起きる。そういうのを見つけたら直ちに修繕した方がいい。ただ、見つけたところだけを修繕しておしまい、にしないように。1箇所で爆裂が起きているのを見つけた時、その時既に、普段目の届かないところあちこちで爆裂が起きている可能性が高い。それに気付かず奥にある強度を保つためのメインの鉄骨まで錆びちゃったらどうするの?……取り壊すしかない……まあそうは言っても50年100年先じゃないか、と笑っては居られない。今、日本中に築50年以上の鉄筋コンクリート造りの建物が沢山ある訳です。取り壊して底地権を分け合いましょう、とか言っても、取り壊し工事費、誰が出すのかな~?放置?マジ崩れます、長崎県の軍艦島のように。放置された大規模鉄筋コンクリート建築の未来がそこにある。ヨーロッパには石積みの古いお城とかあります。あれ、数百年前の建物とかもあるのですけど、なぜ保っているのかというと「鉄を使っていないから」。そうか石積みでマンション建てればいいのか、って話には絶対にならない、日本では。震度6~7に耐える大型建物って、耐震設計の鉄筋コンクリート以外に選択肢はない訳です。ヨーロッパ、地震ないからね。石積み建築が可能になる。じゃあ木造戸建て住宅なら安心かというと、木造建築って確かに法隆寺築1300年みたいな例はあるけれど、それは超高級仕様。庶民に手の届く戸建て住宅に法隆寺並の性能は期待できるだろうか?あと、これも小まめな点検とメンテナンス必須。木の腐った部分は損傷が拡大する前に交換。そういうメンテナンスをしっかり行っていないとボロボロになってしまう。放棄された集落の写真を見れば分かるとおり、建物を放置しておくとあっという間に植物に飲み込まれてしまう。え?うち庭なんか無いよ?敷地一杯に建てちゃったから、という人は、鳥さんの存在を思い出してください。彼ら彼女らは植物の実をついばみ、種を糞として養分付きで屋根に隙間に落としていってくれます。鳥の居ないところに建てればいい?うーん、それ、どこ?青函トンネルの中ですか?で、法隆寺。法隆寺はちゃんとメンテナンスしているから保っているのです。法隆寺はともかくとして、木造であれ軽量発泡コンクリートであれ重量鉄骨であれ、戸建て住宅って15年に1度くらいは外壁塗装しないと保たない。あと、大抵は築30~40年くらいで雨漏り(屋根からだけとは限らない。壁からもあり)とか始まって、そこでまた大金が必要になる訳です。日本は雨が多いからね、こればかりはどうしようもない。雨の降らないところに建てればいい?それ、どこ?青函トンネルの中ですか?という訳で、戸建て住宅って建てたら終わりじゃない。維持費も馬鹿にならないんです。で、賃貸。賃貸が絶対に良い、とは言わないけれど、「普通の人」は無理せず賃貸にしといた方がいいと思う。あくまで私の私見ですけどね。うち、今、家賃5万円で2Kのアパートに住んでるんですけど(一応ギリギリ首都圏かな?徒歩5分の最寄り駅から電車に乗ればJR東京駅まで2時間以内、築40年だけどリフォーム済みで結構キレイ)、年額60万×35年で2100万円+2年に一度更新料1ヶ月分×17回で85万円、合計2185万円。地方に行けば土地は安いかもしれないけれど、2185万円で地震と台風の多い日本に堅牢な戸建て住宅が建てられるでしょうか?不動産屋さんの店長から聞いたところ「まあ最低限4000万円くらいないと、いい家は建てられませんね」だそうです。誤解しないでください。賃貸に70年住めばば割高じゃないか?って、それは今すぐキャッシュで4000万払える場合限定。ローン組んじゃうと利息で総返済額1.5倍、合計6240万円くらい払わなきゃならないんです。あと、賃貸2185万円はメンテナンス込みですから。雨漏りしても水道の蛇口が壊れても、それが故意の破損でなければ原則として大家さん持ちで修理して貰える。物価情勢次第では家賃の値上げっていうリスクはあり得る。でも、そう簡単に家賃の値上げってできないし、「出て行け」ということを大家が言い始めると、じゃあ続きは裁判所でって話になって、ま、数百万は払っていただかないと出て行けませんね。借地借家法って強いんです。

じゃあ、実物資産といえば、金かな?。
その前にちょっと銀の相場を見てみましょう、田中貴金属店2019/05/24、30kg建てで58.75 円。よし1g58円で売ろう!と思って、ジュエリーとかに含まれている銀を売るとどうなるかというと、田中貴金属店リサイクル価格、銀100%1g30円。は?1980年に瞬間風速366.87円/gだった銀が、今、現実として30円。
これは貴金属云々以前に、写真感材としての銀の存在意義が、カメラのデジタル化でほとんど消えてしまったということが大きい。フィルムカメラの時代に銀は必須。なぜなら銀塩写真の原理は、ハロゲン化銀が光線によって変質する性質の応用だから。フィルムに光を当てても何も変化がないように見えるけれど、実はハロゲン化銀が変質していて、現像という作業を通じて画像を得る仕組みになっている。カラー写真は、その応用。色のついたフィルターを掛けたハロゲン化銀を重ね塗りすることで色ごとにハロゲン化銀の変質を得て、その変質したハロゲン化銀を色素によって置き換える。モノクロだけでなくカラー写真も銀が必須だったのです。工事写真のように大量に撮影するニーズもあった。今、工事写真はデジタル。医療用レントゲンフィルムのデジタル化も大きい。あれはフィルムそのものが大きいので銀を沢山使う。でもデジタルになって、現像待ちがなくなりフィルムも必要なくてコスト削減で、使用済み現像液のような有害廃棄物も出ず、よいことづくめ。かつて女子高生の間では写るんですが流行っていたけど、今はスマホ。結婚式とかの営業写真もデジタル。もう写真感剤としての銀は、出る幕がない。そんな銀も数年前までは60円か70円で買い取ってくれていたのですが、そこからさらに半額になっている。じゃあ買いか?これから銀の需要が伸びるか?写真とは別の分野で、何か「銀を使わないと出来ない革新的な技術」とかが登場すれば、そういうこともあるかもしれない。でも逆に「技術革新で貴金属を不要とする技術」が、さらに進むかもしれない。経費削減の原則からすると、後者の方があり得そう。
プラチナも下げているけれど、こちらも貴金属云々というより、ディーゼル車の排気ガスの環境規制クリアに必須であった「白金触媒」が、ヨーロッパのディーゼル車不正問題でディーゼル車の人気が下がり、工業的ニーズが減ってしまった。さらにはプラチナのリサイクル技術が発展して、供給量が増えた。私、15年前に買った結婚指輪、プラチナで63000円払ったんだよね、馬鹿。

で、金。今日の田中貴金属税込小売価格4,938 円/g。プラチナ3,155 円/gよりは高いけれど、最高値は、やはり1980年の瞬間風速6,495円/g(田中貴金属店での販売価格)。
一体1980年に何があったのか?というと、イラン・イラク戦争と、ソ連によるアフガニスタン侵攻。世界的に不安定な時だったのです。今も充分不安定ですが。
でも、じゃあ、そうかやっぱり金なら目減りも少ないのかって、そう単純な話じゃないんです。1999年に瞬間風速917円/g(田中貴金属店販売価格)まで下げた。最高値から、一時は1/6以下まで下げたことがあるんです。1991年にソ連崩壊、冷戦終結。とりあえず世界情勢は安定した感じ。アメリカの圧勝でドル大人気。で、世界中の中央銀行が金を売却してドルを買った。そんな流れが8年も続いたのです。素人の狼狽売り、いかにもありがちでしょう。

で、今、世界情勢が不安定だからと言って金が上がるかというと、そうとは限らない。リーマンショックの時には金も下げたし、これから財政難に陥った国の中央銀行が金を投げ売りするリスクが、ないとは言えない。そう考えると歴史的に見て高水準にある今こそ売り時なのかもしれないけれど、正直、素人の私には分からない。

実は1995年頃、メイプルリーフ金貨、買おうかな?と考えたことがあります。当時1オンス4万円台くらい。これは歴史的に見て安いのではないか?と、日経新聞の貴金属価格欄を見て思ったのです。2019年5月24日(今日)、田中貴金属店メイプルリーフ金貨1オンス、買取価格152,183 円。あーーーーー馬鹿馬鹿、何で買っとかなかったんだ!と考えてしまうところが、また私の素人なところ。1995年の金の瞬間最高風速、1,343/g。つまりその後4年で917円/gまで、じわじわと下げていた。私のことですから、慌てて底値近くで狼狽売りしていた可能性が高い。わー世紀末だ怖いよぉ、とか言って。

結局、貴金属取引の素人として私が言えることはただ一つ、「素人に手の出せる代物ではない」です。

ちょっと話が戻りますが、さっき、今「日本円を買っておけよ」って書きましたが、これもあくまでジョークと捉えてください。つまり、現金(銀行の定期預金とかも同じ)で持っていればよいのかというと、30年後、50年後の日本の物価水準がどうなっているのか分からない。

1980年頃、国鉄の初乗りは100円でした。(1~3km)。今、JR東日本の初乗りは140円(Suicaだと133円)ですが、10月に値上げを発表したJR北海道の改訂後の初乗りは200円。あと、1980年当時、駅弁って500円くらいで普通に買えたんですが、今、駅弁で1080円とか全然珍しくない。ほう、物価は2倍か?と思いきや、そう簡単な話ではない。
今、コンビニ弁当で、セブンの鶏そぼろ弁当が税込298円。1990年ころの「ほか弁」の「のり弁」290円と8円しか差がない。消費税が3%から8%に上がっているにもかかわらず。
1984年、アイスの「ガリガリ君」が1本50円でした。今、コンビニで買うと税込1本75円だけれど、ドラッグストアとか大型スーパーとかだと、特売でなくても税込49円で売っています。
以上のことから「何となく」ですが、ここ数十年は物価は比較的安定していた感じがします。しかし、これからどうなるかは分からない。30年後、50年後もこのままなのか?
政府や日銀は年2%の物価上昇が目標だそうで、それが実現しないと困る人がいっぱいいる、とのことですが、それって複利なので、20年後には物価が2.97倍になっている計算になります。が、年金は何やら訳の分からん理屈を持ち出して、維持どころか減らそうとさえしている感じです(支給開始年齢の引き上げ、という手段も含めて)。確定拠出年金なんて、今使えば将来の3倍の価値があるかもしれないお金を、何が面白くて1/3に減らして使わなきゃならないんでしょう?

で、お金。
結論ですが、腹をくくって80歳くらいまでは何とかして働く。労働時間は減らして、細々と。
それ以外に、「資金運用の原資」もなく「資金運用のプロ」でもない私なんかが生きていく方法はないんじゃないかと思います。
仕事には別の意義もあって、老人デイケアとか行ってお金払って「塗り絵」とかやらされるより、仕事の方が全然面白いやね。

ただ、私、自由業(自営業)だからこんなこと言ってられるという一面もあります。自営業だから定年がない。業務は拡大だけでなく「縮小しながら続ける」という選択肢も選べる。同業他社に少しずつクライアントを継承してもらったりね。そして年金もらいながら、少しだけ働く、とか不可能ではないと思う。
取引先の倒産リスクというのは当然考えなければならないので、複数の業種の異なる取引先とお付き合いしています。取引内容も、Webもやるし紙(印刷)もやる。うちわの製作なんかもやる。デザイン制作という業務だからそういうことが出来るという一面もありますが、デザインなんてAIにまかせりゃいいよ、って時代が来ないとも限らないので、お土産物の企画と卸なんかもやってます。月数千円にしかなりませんが、うち、生活費はなるべく抑えてます。将来のためというより、今、この時を、普通に暮らすために。
あと、リスクはなるべく分散しないと。それくらいは素人の私にもやっと何とか理解できるようになりました。

じゃあ、会社員とか公務員とか、本当にどうしたらいいのだろうか?と、考え込んでみても結論は出ないのであります。リスクの分散も「副業解禁」という形で可能になってくるのかもしれませんが、公務員には「職務専念義務」があるし(実家が農業をやっていて休日に農作業を手伝う、といった例なら、届け出て許可を取れば出来るけれど)、民間企業だって、例えホワイトな会社で9時から6時までの勤務だからといって、何かトラブルとかあれば例え定時内の業務であっても本当に疲労困憊してしまうし、疲労困憊したくないからといって仕事の手を抜くという訳にもいかない。「だめな奴」と会社が判断して、70歳どころか45歳くらいでリストラされたりしたら元も子もない。本当にどうしたらいいのだろう?
でもサラリーマンにも強みはあります。やっぱり「会社の顔」で出会える人が多いことかな?最初は「会社の顔」で出会って、いい仕事をして、個人的にも信頼関係を築いておく。「この人のノウハウ凄い」とか「この人使える」「この人いい感じ」、という印象を色々な人に持って貰うことで、定年後、パートとかで歓迎してくれるところを、何となく作っておく。そういうことは本業の範囲内でやっていいことだと思うのですが、何かヒントになるでしょうか?まあ要するに、息の長い「営業活動」ですね。個人事業主をやっていて本当に思う。営業って大変です。取引先との出会いなんてそうホイホイとあるものではありません。というか、紹介とかでやっと出会った相手でも、最初は必ず警戒されます。「デザイナー?フリーランス?何となく胡散臭い奴」と思われてしまう。その点、まともな会社の会社員であれば、会社名の入った名刺を出せば大抵の人の「胡散臭いハードル」がクリアできる。

あと、何歳まで働けるかというのは本当に個人差の大きな話で、70代で体を壊してしまった人も居れば、90歳代の現役バーテンダーという方もいらっしゃいます。自分が90歳のバーテンダーになれるかどうか?というのは、40年後になってみないと分からないです。

「日経新聞×noteお題企画「#お金について考える」の作品を募集します!」に応募しようと思って書き始めたのですが、何だかお金と関係ない話をつらつらと書いてしまいました。すみません。

(追加)
写真は「庄内一分銀」。幕末の頃(安政期)、幕府が品質の銀の純度を下げた一分銀(安政一分銀。純度90%)を発行したため混乱が起きた。(それまで発行されていた一分銀は純度99%で、天保一分銀と呼ばれる。)
庄内藩では銀の純度の高い天保一分銀に「庄」の刻印を打つことで、庄内藩内に限り「一分一朱」(1.25分)として通用するとしたもの。
一分というのは一両の1/4。現在の貨幣価値で言うと、だいたい2万5千円から3万円くらいの使い出があった。
ヤフオクで8000円くらいで落札。でもこれ、最近下がってるんですよね、7000円代とか6000円代とかで落札されることもあるみたいで……ちなみに「何でも買い取ります」のお店に持っていくと4000円で買い取ります、とのことであったけれど、それも10年くらい前の話なので、今はもっと安いかもしれない。

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