いろどり

明日も幸せに思えるさ

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  • 旅行記

    都道府県をぼくの色でいろどる旅行記。

  • ぼくって

    ぼくって何なのかという問い。精神とか生きるとか。

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    モノクロームの想い出に色を点けたもの。

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    くだらない話。フッと笑う用。

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    読んでほしい、まじめに書いたもの。

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−松葉色− 陸前高田で見た未来

陸前高田(りくぜんたかた)。 岩手県沿岸の南の端に位置する市。 陸前高田の「奇跡の一本松」はみなさんご存じだろう。かつてそこには、白い砂浜と7万本の松、高田松原があった。 地元の方々は、陸前高田のことを「たかだ」とか「たがだ」と呼ぶ。 ぼくは陸前高田にゆかりはないのだけど、地元の方々に倣って、以下「高田」と書く。 ぼくが初めて高田に行ったのは、2017年2月のこと。 大学のプログラムで、学習支援ボランティアとしてお邪魔した。 町の中華食堂に行ったら、お店のおばちゃんが案

    • −鉛色− 撰ばれてあること

      とってもとってもお久しぶりです。 長らくnoteから離れてしまっていたけど、また少し書いてみます。 ここでなら全部吐き出せます。 社会人2年目も半分が過ぎていって、 職場でのぼくへの期待は日に日に大きくなっていっている。 いや、大きいというより、ただただ、重い。 面と向かって単刀直入に「君は本当に優秀だから、期待してるよ」と言われる。 「君なら理解できると思うけど、〜」 「これは〜〜こういうことだ、わかるよな?」 そういうことであることは理解するし、 ぼくに期待してくれ

      • −江戸紫− 東京を去った社会人の東京論

        東京は、不思議な街だ。 上京前のぼくにとっては、東京は遠い憧れの場所だった。 天気予報の背景で流れている、渋谷のスクランブル交差点。 街の人にインタビューする時の定番、銀座や新橋。 全部テレビの画面の向こうの世界。 大学入学を機に上京した。 東京で6年を過ごした。 いつしか東京は馴染みの土地になっていた。 新宿駅で迷子になることはなくなったし、 スカイツリーは日常の光景になっていた。 テレビに映る2次元の世界だった東京は、 思い出とともに立体感を増した。 住めば

        • −青丹– 恐怖!せんとくん【いろどり旅行記#07奈良県】

          共感してくれる方がいるかどうか分からないのだが、ぼくは着ぐるみがちょっと怖い。 着ぐるみの中にもランクがあって、ぬいぐるみ感のあるやつはまだマシだ。 問題なのが、うっすら人間味のあるやつ。 ディズニーランドのきぐ……仲間たちで言うと、 ダッフィーは大丈夫。 ドナルドはセーフで、ミッキーは結構怖い。 ぬいぐるみなのか人間なのか、その存在に多重性を帯びている感じが薄気味悪くて苦手なのだと思う。 そのことを初めて自覚したのが、奈良県に旅行した時だった。 当時、奈良県は平城

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        −松葉色− 陸前高田で見た未来

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        記事

          −赤朽葉色− 25番の段ボール

          冬服を出した。 「引っ張り出した」という表現の方が正しいかもしれない。 10月も終わりが迫ってきているのに、タンスの中はまだ半袖の服が占拠していた。 衣替えしようと腰を上げるのに、ぼくには1ヶ月を要した。 普段の洗濯物を畳むのでさえぼくには億劫なので、衣替えなど重労働も甚だしいのだ。 冬服たちは、クローゼットの中の、引越し屋さんの大きな段ボール箱の中に入っている。 7ヶ月ぶりに開く段ボール。 箱の側面には「25」と書かれたシールが貼ってあった。 引越しの時に、段ボールに

          −赤朽葉色− 25番の段ボール

          −青緑− 「a」と言う人、「β」と言う人

          社会人になって約7ヶ月が過ぎた。 社会では、いろんな人がいろんなことを言っている。 ある人が「a」と言っていて、ああそうなんだ、と思っていると、 別の人は「β」と言っている。 そして、aの人はaが、βの人はβが正しいと思っている。 それに、いろんな人がいろんな人のことを嫌っている。 誰かのいないところで、誰かへの反感や悪口が語られている。 人のため、とか、他人と分かち合う、とか。 この社会では、はじめから無理なことなのかもしれない。 そして、そのことに人々は気づいてい

          −青緑− 「a」と言う人、「β」と言う人

          −白茶− やっぱりパーカーが好き

          ぼくが好きな服装は、圧倒的一位でパーカー。 フードをかぶって、萌え袖にした手をさらにポケットに突っ込んだら、 パーカーに守られてぼくだけの世界に入り込める感じがとても安心する。 あたかも、敵が襲ってきたら甲羅の中に隠れられる亀みたいなものだ。 それに、パーカー+ジーパンにすれば、良い意味で没個性的で中性的で、 匿名性を帯びた「市民A」になって、自分という社会的役割から少し逃れられる気がする。 仮に結婚式を挙げるとしたらドレスコードは白のパーカーにしたいくらい、 とにか

          −白茶− やっぱりパーカーが好き

          −若芽色− あなたは本当のワカメをまだ知らない【いろどり旅行記#06宮城県】

          あなたは、本当のワカメを食べたことがありますか? 乾燥わかめを戻したやつしか食べたことがない?? それはいけませんね。 そんなあなたは、この冬〜春、三陸に行きましょう。 ある年の2月、宮城県女川町を訪ねた。 仙台から仙石線の終点石巻まで1時間半、そこからさらに石巻線で終点女川まで30分。 頭端式のホームが旅情をそそる。 2月の東北の冷たい風に吹かれながら女川駅前の商店街を歩いていると、食堂の店先に「わかめうどん」の文字。 冷え切った体は自然にわかめうどんに引き寄せ

          −若芽色− あなたは本当のワカメをまだ知らない【いろどり旅行記#06宮城県】

          −石竹色− ゆくへも知らぬ恋の道かな【いろどり旅行記#05京都府】

          突然ですが、百人一首の中にあるこの歌、ご存知でしょうか。 歌の意味は、 この歌、とても好きなんです。 「かぢをたえ」てしまった舟人の不安な気持ちや、 水上を漂っている情景、 行方のわからない恋に身を焦がす気持ちが、 約1000年の時を越えて迫ってくる。 そして、上の句も下の句も「ゆ」で始まっていて、 その柔らかい響きの重なりに、繊細な恋心が見える気がします。 ぼくは「ゆ」の字にピンク色のイメージを持っているので、 なおさら恋の予感です。 さて、ではこの歌に出てくる

          −石竹色− ゆくへも知らぬ恋の道かな【いろどり旅行記#05京都府】

          −焦香− 帰るべき場所がない

          ぼくは、自分の故郷がとても好きだ。 でも、実家は嫌いだ。 ぼくがずっと抱えてきた生きづらさの原因を突き詰めたら、実家の問題に行き着くんではないかと思う。 そのことにぼくは気づいていたけど、誰にも言えなかった。 何年も心の奥底に隠していた「しにたい」は、ようやく信頼できる人に打ち明けることができたけど、実家が嫌いなことは最後まで言えなかった。 誰かに聞いてほしかったけど、勇気がなくて話せなくて、でもずっと苦しくて、 文章でなら吐き出せるから、ここに吐き出しておく。 ぼく

          −焦香− 帰るべき場所がない

          −褐返− 学びの価値のおすそ分け

          大学生の頃。 本郷のキャンパスから、散歩がてら上野駅に向かおうと、鉄門を出た。 無縁坂を下りきり、そのまま横断歩道を渡って、不忍池を貫く道を歩く。 ボート乗り場のところで右に曲がり、弁天堂を抜けると、上野動物園の弁天門を左にして、再び横断歩道に差しかかる。 赤信号を待っていると、2歳くらいの子どもとベビーカーに乗せた赤ちゃんを連れた、外国の方らしいお母さんが後ろからやってきて、同じように赤信号で止まった。 信号が青に変わり、横断歩道を渡る。 渡りきると、上野公園に上がる階

          −褐返− 学びの価値のおすそ分け

          −濃色− 絶景の中の日常【いろどり旅行記#04長野県】

          JR篠ノ井線の姨捨駅からの景色は、「日本三大車窓」のひとつに数えられるらしい。 「姨捨駅」と検索すれば、絶景画像がたくさんヒットするはずだ。 ぼくも事前に絶景画像たちを見た上で、現実の絶景を見に行ったのだけど、現実は画像とはレベルが段違いだった。 景色を手前から奥へと蛇行しながら貫く千曲川。 その千曲川沿いに広がる田んぼと、千曲市・長野市街地。 人々の生活が、そこに広がっていた。 川とともに生きてきた日本人の暮らしが。 ミニチュアのような景色だけれど、その隅々に人々の

          −濃色− 絶景の中の日常【いろどり旅行記#04長野県】

          −浅縹− 東大生の勉強法?

          たまには東大院卒らしい記事を。 自分が今まで経験したこと、考えたことが誰かの役に立ったらいいなと思うので、 勉強と学びについて書いてみます。 自己紹介 ぼくは現役で東大に合格した。 卒業後そのまま東大院に進んで修士号を取った。 あと、大学院生時代に初めて受けたTOEICで満点を取った。 (自慢してみたかったのです笑) こう書くとなんかすごそうだな。 でもぼくは、くだらないことが好きな、いたって普通の人です。 ところで巷には、「東大生の勉強法」だとか「TOEICで○点

          −浅縹− 東大生の勉強法?

          −蜜柑色− ガードレールは夏みかん色【いろどり旅行記#03山口県】

          ガードレールの色だけでidentifyできる県、山口県。 噂には聞いていたけれど、実際にガードレールを見ると、笑ってしまうほど黄色い。 皆さんもとりあえず見てみてほしい。 デデンっっ ここのストリートビューを見に行くと、川を挟んで黄色のガードレールと白のガードレールが合い見えているのを拝むことができる。 さて、この黄色いガードレール、なんでも「夏みかん色」らしい。 アイデアが香ばしすぎる。 何を食ってたら、「おっしゃ、ガードレールの色、夏みかん色にしたろ!」と思

          −蜜柑色− ガードレールは夏みかん色【いろどり旅行記#03山口県】

          −乳白色− 3連コーヒーゼリー

          無性にコーヒーゼリーを食べたくなって、スーパーでよく売っている、カップ3つがパックになっているコーヒーゼリーを買って食べた。 幼い頃、こんな3連のコーヒーゼリーをよくおやつに食べていた。 ぼくと兄で1つずつ食べて、余った1つをどうするかでよく紛争や協議が勃発した。 地味に開けにくいあのパックを開けるぼくの必殺技、 カップとカップの間のピンっと張っているビニール部分をスプーンで一突き。 そうすればいい音とともに開封に成功。 アルミの蓋をはがして、蓋の裏についたゼリーをスプ

          −乳白色− 3連コーヒーゼリー

          −鴇鼠− 雪道滑ってブルボン本社【いろどり旅行記#02新潟県】

          2022年2月。新潟県は柏崎駅に降り立った。 特にあてはないけど、列車の乗り換え待ちで駅前を少しぶらつくことにした。 「少しぶらつくことにした。」と決めた時のぼくは、2月の新潟をナメくさっていた。 湿った雪と海風で、路面がスケートリンク。 駅前の横断歩道を渡ったところで早くもぼくの心は折れて、来た道をそろりそろりと引き返した。 結局、ぼくの柏崎観光は、冬の日本海沿岸の洗礼を受けたことと、駅前のブルボン本社を見たことで終わってしまった。 でも、ある意味新潟の醍醐味を味わ

          −鴇鼠− 雪道滑ってブルボン本社【いろどり旅行記#02新潟県】