見出し画像

産経のイラン解説記事は間違いだらけ

飯山陽はメディアを散々批判しているのに産経は批判しない、きっと産経で連載を持っているからだ云々という批判を時々目にしますが、それは違います。産経で連載を持っていようと、間違った記事を見つけたら間違いだと指摘します。

今回批判するのは産経の「知論考論」というコーナーの「中国に専念したい米国 来月イラン制裁解除案中西久枝氏」という記事です。

まず冒頭からおかしい。イランについて伝える記事は大抵、最初から最後までおかしいことが多いです。

中東の地域大国イランで反米の保守強硬派のイスラム法学者、ライシ司法府代表(60)が大統領選に勝利し、8月、新政権が発足する。2期8年続いた保守穏健派から政権を奪還した。

だから。これはFNNでもニューズウィークでも指摘しましたが、イランには反米保守強硬派しかいないんですよ。

ここに言及されている「保守穏健派」というのはロウハニのことでしょうが、ロウハニは穏健派だ!というのはオバマ政権がでっち上げたイメージに過ぎません。「欧米と交渉する」のが穏健派だと言ってきたわけですが、それならばライシも交渉すると主張しているので、立派な穏健派です。

要するに記事を書いている人は、何が穏健派で何が強硬派か、自分でもよくわかっていないまま記事を書いていることがうかがわれます。

記者が話を聞きに行った「知識人」の一人目が同志社大大学院の中西久枝教授。この人は有名なイラン擁護論者です。

核合意交渉の見通しについて、次のように実に適当極まりないことを言っています。

進行中の核交渉の行方として、イランのミサイル開発禁止は対象にならないだろう。米国は最近イラク、シリアでイラン技術のミサイルを撃ち落としており、さして問題にしていない。グローバルな政治の中で米国の優先事項は中国であり、対中戦略に専念できるよう中東の火種はなるべく小さくしておきたいのだ。米国は、ある程度の歩み寄りはするし核合意の復帰は多分ある。

え。「さして問題にしていない」?

さして問題にしていないのに、バイデン政権はこれに対する報復として

ここから先は

1,992字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?