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師岡カリーマのウクライナ侵攻どっちもどっち論の真相

東京新聞が師岡カリーマ氏の「ウクライナ侵攻に思う」というコラムを掲載しています。

もとは「雑誌『世界』臨時増刊『ウクライナ侵略戦争—世界秩序の危機』(岩波書店)に寄せた巻頭文」なのだそうです。

冒頭には次のようにあります。

ロシア軍がウクライナ侵攻を開始した時、私はヨーロッパにいた。戦争なんて過去のこと、または別の大陸のこと。そう信じて平和を享受していたこの地域の人々の衝撃は大きかった。日本に戻ってみると、その差は小さくない。やはり〝遠くの出来事〟なのだな、と感じられる。

世界を知る私、世界を知らない日本人。まずそういう、上から目線からスタートしています。

そして世界を知る師岡氏がなにを介して世界を理解しているかというと、なんと、アルジャジーラだというのです。

侵攻開始から3週間、英国BBCワールドニュースや中東のアルジャジーラではウクライナ情勢が報道のほぼすべてを占め、特にアルジャジーラの本丸であるアラビア語放送が、渾身の報道で目を引いた。

この後、延々とアルジャジーラがいかに素晴らしいかの説明が続きます。

普段のアルジャジーラは数時間おきに30分のニュース、そして毎時間の正時に短いニュースを放送。欧米メディアとは異なる優先順位でトピックを選び、チュニジアやイラク、イエメン、スーダン、エチオピアといった地域の細かいニュースがトップで伝えられて時間もたっぷり割かれる。ニュース以外の時間も充実。ゲストを交えた時事番組、インタビュー、旅番組、ハイテク情報、スポーツ、文学、ドキュメンタリーなどは、内容もここ数年で飛躍的に向上し、何時間観ても飽きない上質なラインアップが無料で視聴可能だ。ところが戦争勃発から3週間は、私が見た限りニュースのみの放送となり、しかもほぼ9割がウクライナ報道。欧米メディアとは一線を画す独自性を打ち出してきたアルジャジーラにあって、記者とカメラを戦闘地も含めウクライナ各地に配備し、「ヨーロッパの戦争」を取材する力の入れようは、やや意外だった。

なぜにここまでアルジャジーラ推し?!

怪しい。極めて怪しい。

アラビア語放送のアルジャジーラを「何時間観ても飽きない」と言ってしまう人は、

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