ティール組織の「Evolutionary purpose」はなぜ「存在目的」なのかを勝手に考察してみた

ティール組織の3つのブレイクスルーと呼ばれる、ホールネス・セルフマネジメント・エボリューショナリー・パーパスは、それぞれ、全体性・自主経営・存在目的と訳されます。

「存在目的」と聞いて、昭和世代は、「レゾンデートル(存在理由)」のことを想起されるのではないでしょうか。生きている理由というか、何のために存在しているのかという問いに対しての答えです。ただし、「Evolutionary purpose」にその意味合いはまったくありません。

「Evolutionary purpose」を直訳すれば、「進化する目的」です。ティールを紹介したネット記事等は多くありますが、そのほとんどが「進化するための目的」と解説していています。それも間違っています。組織は特に進化を求められているわけでもなく、どちらかというとプロセスの結果、進化していくのです。ですので、「進化するための目的」とすると、因果関係が逆になります。

「Evolutionary purpose」は、厳密に訳すると、「進化していく目的」です。「目的」自体がどんどん進化していくことを言っています。つまり、組織において関係性が変化すれば、それに伴って組織の目的も変わってくるのです。具体的にいうと、誰かが辞めたり、誰かが新しく加わったりすることでも、組織の関係性は微妙に変化します。ホールネスが満たされると、本来の意味での組織の「目的」は、その都度、更新されていきます。そういったプロセスの中で、「目的」が進化していくのです。

ただ、そこにはホールネスが満たされるという条件があります。つまり、すべての人の存在が価値として認められることなしに、「Evolutionary purpose」は存在しないことになります。「目的」が進化を止めてしまうからです。個々人の「存在」こそが、目的進化のアプリオリの役割を果たします。ゆえに、「存在目的」が成り立つのだと思います。

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