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ワーケーション/住み開きって何?!ギルドハウスさんに行ってみた|2018年11月

1.自己紹介です

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初めまして、こんにちは。移住ソムリエの草栁ちよ子と申します。
東京練馬在住で、東京と長野と新潟(信越)を拠点に、活動しています。
移住ソムリエをやると決意するまでの過程(コワーキングスペース巡りの旅、地域おこし協力隊の方とのお話しや移住体験住宅での経験など)や、移住ソムリエとしての想いについては、別の媒体で書く予定です。アップされましたら、後日、URLをリンクしますので、読んでいただけたら嬉しいです。

2.住み開きとギルドハウスという言葉との出会い

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「住み開き」という言葉に一番最初に出会ったのは、2018年5月に開催された、Co-ba shibuyaさんのイベント「世界コワーキング探訪#04 京都編」で、小嶌久美子さんのお話しの中でした。
最後の最後に「実は、今、京都で流行っているのは、住み開きなんです。こんな感じで、自分の家で、パーティーやイベントをやって、友達が集まるんです」とサラッと短くお話しされました。

えっ?住み開き?ふーん??何それ???
短かったので、余計に印象に残りました。

その3ケ月後、2018年8月31日。
長野県佐久市のシェアハウス柏屋旅館さんで「セントラルの消滅とローカルにいきること」のイベントで「住み開きをやっている有名なギルドハウス十日町の西村治久さんことハルさん」が参加されると知ります。

2017年のコワーキングスペース巡りの旅で、佐久のコワーキングiitoco!!の江原さんとつながり、そのご縁で、知ったのです。iitoco!!さんと、信州古民家再生プロジェクト(通称コミサイ)さんと、柏屋旅館さんの共同主催企画。

民泊でもゲストハウスでもシェアハウスでもない「ギルドハウス」って何?

ハルさんが、3年前に新潟県十日町市の限界集落の古民家に移り住み、「住まい」として「住み開いて」いる。ただそれだけにも関わらず、この3年間でなんと、6,700人もの人が訪れている、ものすごい場所…という説明だけ読んだら!

どんな場所なの?!
なんで、そんなに人が来るの?!
お金は?! どういうシステムなの?!

???はてな がいっぱい浮かんできました。もう聞かずにはいられない…!

ちょうど、8/31から9/17まで、「テレワーケーション: Startup Tour:東京発の地方創業」を長野と新潟で移住体験住宅に滞在しながら巡る予定だったのです。3つのCom (Common, Community, Company) がテーマの Remote ツアー。旅のコンセプトは「Local & Global」
その栄えある初日に、柏屋旅館さんに宿泊して、ハルさんのお話しをお聞きしてきました!

3.ギルドハウスとは、ハルさんの旅の果ての結晶!?

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3年間で6,700人もの人が訪れる「ギルドハウス十日町」その「住み開き」とは、何なのか?人がそれだけ集まるには理由があるはず。いったいどんな魅力があるのか???

大学生がマイクロバスで団体で視察に訪れる。
「説明してください」と言われて「え?住んでるだけです、僕の家(ぼくんち)です。ハルさん家(ち)です、ようこそ」と、しれっと答える家主のハルさん。

熟年離婚したお父さんが、余生をどうしようか困り果て、やってくる。子どもを連れたママさんが、嫁ぎ先から逃げてきたと、やってくる。自分の人生、仕事で悩んで、さ迷える若者が、考えるのに疲れ果て、やってくる。彼らは、すべて、「冒険者」と呼ばれている。

そんな冒険者が訪れる、民泊でもなく、ゲストハウスでもホテルでもシェアハウスでもない、「ギルドハウス十日町」をオープンするまでの経緯などをお聞きしました。

以下、私の感想です。
「ああ、ハルさんだから。ハルさんの今までの出会いと体験と人とのつながりの総決算と知恵と知識をフル活用した結果の、ギルドハウス十日町なんだ」

よくわからなかった謎の「お金のシステムどうなってるの?」も、懇親会で初っ端から隣に座ってガンガン質問するという、普段は自分からトークしない私が、すごく勇気を振り絞って伺い、謎が解けました。
この中身は、直接ハルさんご本人に訊いていただくか、私と直接会った時に、知りたい方は訊いてください、お話しします。

一言でいうと「ハルさんが、いろいろ旅してきて、いろんな方から授かり培った知恵と、ハルさんが辿り着いた幸い(さいわい)のかたちの結晶」であると感じます。

誰でもが、真似できる、同じことをして成功するとは、限らないと思います。ただ、同じことをすれば良いのでも、ありません。真似ではなく、失敗とか成功ではなく、やりたい人が、やる。そして、会いたい人、行きたい人が、訪問する。
結局のところ、ただ、それだけ、だと思います。
人が人を呼ぶ、という「人」そのひと言に尽きるのかなと。

訪問するのには、時間とお金と労力がかかります。そのコストさえも会える喜びという原動力にして、会いに行きたい人かどうか。

ただただ、恐れ入ります。
自分は果たして、この身ひとつの自分の家で、特別な何かを提供せずに、訪問者を、無心で、笑顔で、真心で、両手を広げて、冒険者ひとりひとりを、迎え入れられるだろうか? パワーとエネルギーの塊だと思います。
昔からあったものを、今の時代に改めて再現した、その「行動力」は、ハルさん自身が、冒険者であり勇者であり賢者でもある証と言えるでしょう。

4.旅人とか移住とかコミュニティとかの先

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イベントには、ハルさんのギルドハウス十日町のような住み開きに憧れ、住み開きをしたいと思っている人たちや、ゲストハウスやシェアハウスや農家民泊など、何かしらやりたい人や、古民家や空き家再生に関わる人など、いろいろな立場の方が参加していたように感じます。彼らも、それぞれ、勇者であり賢者であり冒険者なのかもしれません。

実際に、ギルドハウス十日町に住んでいた方達が、巣立って行って、人生という旅の途中で、それぞれの場所で、おのおのの「ギルドハウス」を今年から来年から、ちょこちょこオープンしているそうです。そして、そのギルドハウスに「俺も行けるしね」とハルさんは、行く気満々で笑顔なのです。ハルさん自身も、まだまだ、冒険者でもあるのです。

ギルドハウスという、新しい「人との関わり方=住み方=暮らし方=働き方=生き方」は、これから人口が減少し、仕事と生き方、地域の持つ役割の多様化と共に、個々人で、ひとつの「布石」として、たいへん参考になると感じます。

私自身は個人的に、大いに安心しました。
何故なら、今まで45年間生きてきて、「人に迷惑をかけてはいけない、心配をかけさせてはいけない、ひとりできちんと、ちゃんと生きていかなければいけない」と思い込んでおりました。

でも、そうでも無かった。
もっと普通に、安心して、良いんだなって。
どうしても、食べられない、泊まる場所が無い、お金が無かったら、ハルさん家に行けば、いいんだ!!!という大きな安心感と、究極の、開き直り。

これは、もう、一度行ってみて、話してみて、そして泊まってみてください。自分で体験してみないと、わからないと思います。
実は、まだ私は泊まっておりませんが、ハルさんに「君は、お茶飲み系だね」と言われました。褒められたと思って、ありがたく頂戴し、今後もますます「お茶飲み系」として人間味に磨きをかけていきます!

ギルドハウス。
それは、旅人であってもなくても、移住しなくても訪問できる、食べる心配と、寝るところを心配しなくて済む場所。ご飯が食べられて、屋根があるお家で、布団で眠れる、最低限の命の安全が確保された場所です。
そんな場所があって、いつでも来て良いですよ。いつ帰っても良いですよ。ただしココは僕の家ですと、しれっと言うハルさんがいる。そんなハルさんに会いたくて、話しがしたくて、人は、ハルさん家に、住み開きされた家に、訪れる。

ハルさんは、ご自身のことを「隠居者」と自称し、自覚しています。
隠れて居る者として絶対的に安心している人と住まいに身を置くことで感じる安らぎが、ある。そして、自身の生命力を充分、補充したら、次の第一歩に向かえる場所でもある。

旅人以上、移住未満。新しいコミュニティとかの先。
こんな人が、いる。こんな場所が、ある。こんな生き方も、ありなんだな。
私達は、行きたい道を行けるのです。選択できるのです。
冒険者でも、勇者でも、賢者でも。大いに安心して前進しましょう。

5.旅するギルドハウスがあっても、いいかもね?

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移住ソムリエとして、空き家や古民家の活用方法として「定住シェア」「交代制の移住」など提唱しています。具体的な企画、ご提案など、水面下で進行・実践中ですが、各個人が、日本各地のギルドハウスを旅して移動するように、「ギルドハウス自体が旅して移動する」のも面白いのではないかなと想像します。

春は東北、夏は四国、秋は関西、冬は信越など、コミュニティ毎各地に行く。ひとりで出来るなら、グループやコミュニティ単位でも、出来るのでは? 遊牧民のように移動しつつ、おためししながら、途中で離脱もオッケー。その地が好きな人は、そこに残り好きなだけ居れば良い。期間限定ギルドハウスとも呼べるかも? 期間限定だから持続はしませんが、期間限定が持続する「スポット移住」のような?

あちこち空き家があるからこそ、やりたい人にギルドハウスが出来る方法を模索し展開していく。
やりたいと思ったことを、やれる人、面白い人が集まれるように。
全世界の、勇者、賢者、隠者、冒険者。
どうやったら会えるだろう? どこに行けば会えるだろう?

食べること、眠ること。
命の最低限の大いなる安らかさと健やかさの保証を基に、前向きに、主体的に、自分の人生を切り開ける、変えたいと、動ける、創造できる。
そんな人と人が繋がり、仲間と遊んだり一緒に何かをしてるうちに、いつの間にか地域も混ざって交えて共創して共存していく。
そんなギルドハウスが、もう既に、今も、これからも、誕生する、出会えるのではないか。

そんな予感を胸に、ギルドハウス十日町、ハルさんに出会えたことに、感謝の気持ちでいっぱいで、この文章を贈ります。ありがとうございました!

勇者、賢者、隠者、冒険者の皆さん、世界中、何処にいても。
自身の星を掲げましょう。命の灯を燃やしましょう。
良いお年を、お迎えください。

☆ギルドハウス十日町のギルドマスター、ハルさんこと西村治久さん「ソーシャルな隠居」

*この文章は、ギルドハウス十日町の、12月のアドベントカレンダー に参加し12/2に掲載される予定です!*

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