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イケボからの電話

見知らぬ番号から着信があった

名刺に仕事用の番号を載せているので珍しい事ではない。仕事に関する何らかの問い合わせの場合が多いので、仕事がひと段落したタイミングで掛けなおすと先方はすぐ電話に出た。もしもしではなく軽快なハイハイ♪というよく通る男性の低い声

男はイケボの持ち主だった

一瞬、友人の誰かから掛かってきたのか?と思ったがそうでなかった場合は失礼だし色んな詐欺が横行する昨今でもあるので、訝しみながらもこちらからは名乗らず着信があった旨をイケボに伝えると、イケボの方は変わらず軽快なトーンで切り出した。

お盆に函館に帰る事決まったからよろしくねぇ♪

私は北海道出身ではないし、お盆に函館で友人と会う予定もない。縁もゆかりもない地名がイケボの口から出た事で確信を得た。

イケボは間違い電話をしている

こういう場合、「間違い電話ですね!」と答えてガチャ切り丁寧に間違いを指摘して相手が電話を切った後でこちらも切るようにしているので申し訳なさそうなトーンを取り繕いイケボに伝えた。

え?あーーーー、そぅーーーすかぁ、、、、

長いブレスとともに吐き出されるイケボの声に、私の頭には眉を落として電話を切るレイザーラモンHGの姿が浮かんでいた。軽快さが一転して声のトーンが明らかに下がっていたのでこちらも少し申し訳なさを感じたが

そういえばイケボも名乗らなかったしまあいいか

そう思い直し仕事に戻った。

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